2008年の12月から2009年の1月にかけての年末年始の休暇を利用して阪急交通さんの「とっておき南イタリア・シチリア島8」の旅でこの洞窟住居を訪問したのですから、もう1年半近くが過ぎようとしていることになります。
その後は海外旅行そのもに行っていないのですから、この旅行が強く印象に残っているのは当然といえるでしょう。
マテーラは南イタリアのグラビーナ渓谷にあるそうで、その岩盤に掘った洞窟住宅が3000から4000戸もあるそうです。
それらは「サッシ」と呼ばれていて幾重にも重なって広がっており、小生などは「ここに子供のころいたら、さぞ面白い遊び場だったろうに!」と思ったものでした。
しかし、迷路のような通路と階段があり、「あの高台に行くには?」などとも感じましたので、ヘタをすると迷い子になってしまうかも知れませんね。
自然を利用した洞窟住宅といえば、トルコのカッパドキアがすばらしい、という話を聞きましたが、残念ながら小生は、トルコを訪問していません。したがって、カッパドキアのほうが大きいとか、どう違うのかなどをいえないというのが正直なところです。
ところで、このサッシは、8~13世紀にイスラムからの迫害を逃れて移り住んだキリスト教修道士が洞窟内に130ほどの聖堂を造り、内部の壁をビザンチン様式のフレスコ画で飾ったのが始まりとされているそうです。
そして、20世紀初めまでサッシの造成は続けられたそうですが、スラム化していったため、イタリア政府は住民を強制的に移住させ、一時は廃墟になっていたそうです。
しかし、近年、地形や環境に適応し、文化・芸術的にも優れた住居形態であると見直され、保存されるということになった、というのですから何が幸いするか分からないものですね。きっと、夏涼しく冬暖かい住居なのでしょう。
この街を歩いてみますと、住んでいる人々もいますし、先ほど申し上げたように「迷路のような通路に、起伏がある洞窟住宅群ですから、よそからの攻撃に備えるには大変いい場所だと思う(中が見えませんので)のですが、足腰が弱い年寄りにはどうかな?と思いました。
町全体の印象としては、基本が岩盤ですから色でいいますと白と黒、茶色ということになりますので、暗く感じてしまうと思います。