ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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ピート・シンフィールド死去

2024-11-17 22:07:27 | 日記


ピート・シンフィールドが死去したというニュースがありました。

キング・クリムゾンで作詞を担当し、プログレ世界の構築に大きく寄与してきた人物です。普通、楽器演奏者ではない人をバンドのメンバーにはカウントしないと思いますが、この人はキング・クリムゾンの主要なメンバーという位置づけでした。バンドメンバーの出入りが激しいことを考えれば、ロバート・フリップと並ぶ初期クリムゾンのツートップとさえいえるかもしれません。クリムゾンを離れてからも、ELPやロキシー・ミュージックといった先進的なアーティストと関わってきました。

享年80歳ということなので、天寿をまっとうしたといえるでしょう。

おそらく、同じ引用をしている記事がほかにもたくさんあると思いますが……やはり、この訃報で思い出すのは Epitaph です。

King Crimson - Epitaph (BBC Radio Sessions, 1969)

「混乱」が私の墓碑銘となるだろう…

シンフィールドの書いた詩の中でも、このフレーズは、プログレの誕生を宣言するものとして広く知られています。

彼の詩がなければ、ロックにおけるプログレという要素はこうまで大きく育たなかったかもしれません。
プログレにおける偉大な詩人に、哀悼の意を表したいと思います。



ベースの日2024 ヴィンテージⅪ

2024-11-11 21:03:12 | 日記


今日11月11日は、「ベースの日」。

毎年この日は、ベース関連の記事を書いています。
で、今年は「ドラムの日」と同様、ヴィンテージシリーズでいきましょう。Youtubeで保存していた動画を蔵出しする企画……11月11日で、ちょうど11回目ということになります。



ジーン・シモンズ。
今年ブラジルでのフェスでモーターヘッドのAce of Spades をカバーする動画がありました。

Gene Simmons Band - Ace Of Spades (Summer Breeze Festival - São Paulo - 26/04/2024)


本家モーターヘッド。
セックスピストルズのカバーで、God Save the Queenです。これは一度どこかで載せたかもしれませんが……

Motörhead – God Save The Queen (Official Video)


最近このブログでは、ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタルの話をよくしていました。
モーターヘッドは、アイアン・メイデンと並んでその代表格といえるバンドですが、NWOBHMムーブメントにおいてその弟分と目されていたバンドがTank。
中心人物のアルジー・ワードは、一時期ダムドでベースを弾いていたことがあります。

Blood, Guts and Beer

ダムドといえば、初期UKパンクの代表的バンド。NWOBHMは、ヘヴィメタルでありつつも、それまでの音楽の地層を踏まえているわけです。


タンクがモーターヘッドの弟分だとするならば、妹分というべきバンドがGirlschool。
特にベーシストがどうこうというネタもないんですが、話の流れでついでに。
彼女らが、T-REXの20th Century Boy をカバーしています。

20th Century Boy

NWOBHMのバンドには印象的なグラムロックのカバーがいくつかあると書きましたが、この曲もその一つといえるかもしれません。
ただ、その当時はアメリカ進出を狙ったあざとい戦略みたいに見られて不評だったとか。


ここでNWOBHMから離れて……
マイク・ワット。
ブラックフラッグのグレッグ・ギンが立ち上げたSSTレコードから出てきたバンド、ミニットメンでベースを弾いていた人です。ミニットメンは、フロントマンが不慮の死を遂げたことで活動終了し、マイクはその後ストゥージズのベースに。そのストゥージズも、メンバーが相次いで死去し、現在は活動停止状態。ということで、事実上、マイク・ワットはストゥージズ最後のベーシストとなりました。
そんなマイクが、トム・モレロらと共演する動画がありました。

Alison Mosshart, Wayne Kramer, Tom Morello, Stevie Van Zandt, Mike Watt & Joey C - Turn Up The Mains

MC5のウェイン・クレイマーも参加しています。
ウェインは今年死去したということで……このマイク・ワットという人は共演者に次々と先立たれているわけです。こういうラストマン・スタンディングな感じは、ベーシストらしくていいんじゃないでしょうか。


スージー・クアトロ。
ロックスタンダードともいうべきAll Shook Up をカバーしています。

All Shook Up - Suzi Quatro | Tee Midnight Special


デイヴ・スピッツ。
弁護士資格をもつという異色のメタルベーシストです。“ザ・ビースト”というおよそ弁護士らしからぬ通り名をもっています。
この人は、ごく短期間ながらブラックサバスにいたことがありました。その時期のアルバムSeventh Star のタイトル曲。

Seventh Star (2009 Remaster)

この時期のサバスはトニー・アイオミ以外のメンバーが流動的になっていた迷走期ということになるでしょうが、HR/HM界隈の猛者たちが出入りしているのでメンバーは豪華です。
ドラムには、後にKISSのドラムとなるエリック・シンガー。ボーカルは、ディープ・パープルを脱退したグレン・ヒューズとなっています。


アイオミとグレン・ヒューズという組み合わせでは、最近コラボがありました。ヒューズは、ボーカリストとしても一流ですが、本職は(たぶん)ベースです。

Tony Iommi feat. Glenn Hughes - Dopamine (Official Lyric Video)


ベースボーカルとしてのグレン・ヒューズでもう一曲。
彼は現在Black Country Communion というバンドをやっています。ギターにはジョー・ボナマッサ、ドラムには、ジョン・ボーナムの息子であるジェイソン・ボーナム。キーボードには、元ドリームシアターのデレク・シェリニアンというスーパーバンド。

Black Country Communion - The Ballad of John Henry - Live Over Europe DVD

グレン・ヒューズは、このバンドが終の棲家になるかもしれないというようなことをどこかでいっていました。となると、もうディープ・パープルへの復帰はないのかもしれません。


ディープ・パープル歴代ベーシストをもう一人。
現ベーシストのロジャー・グローヴァ―が、マイケル・シェンカーとコラボした動画がありました。歌っているのは、ヨーロッパのジョーイ・テンペストです。

MICHAEL SCHENKER - Only You Can Rock Me feat. JOEY TEMPEST & ROGER GLOVER


クリス・ノヴォセリック。
ニルヴァーナのベーシストです。今から10年前、ニルヴァーナがロックンロール栄誉の殿堂入りを果たした際に、ジョーン・ジェットとともにSmells like Teen Spirit を演奏している動画がありました。ノヴォセリックがジョーン・ジェットを招き入れています。

Nirvana w/ Joan Jett – "Smells Like Teen Spirit" | 2014 Rock Hall Induction

ちなみに、ギターを弾いているのは、パット・スメア。この人も、レジェンド級のギタリストです。LAパンクの伝説ジャームスでギターを弾き、後にニルヴァーナのツアーをサポートしたりしていました。おそらくはその縁で、いまはデイヴ・グロールのフーファイターズでギターを弾いています。


再びクリス・ノヴォセリックに注目して……彼がやっているバンド、3rd Secret。

3rd Secret — "I Choose Me" Live Performance at MoPOP (Official)

デイヴ・グロールがやっているフーファイターズに比べるとあまり知名度は高くないと思われますが、このバンドもなかなかのスーパーバンドです。ギターにはサウンドガーデンのキム・セイル、ドラムにはパール・ジャムのマット・キャメロン(サウンドガーデンにも一時在籍)がいて、グランジオールスターズともいうべき顔ぶれとなっています。



ここからは、「基本はベーシストだけどベースを弾いてるわけじゃない」動画を。



アンディ・ベル。
オアシス再結成で、ギャラガー兄弟以外のメンバーは誰なのかということが話題になっていましたが、そこでベース候補として名の挙がる一人がアンディです。
いわゆるシューゲイザーの代表的バンドであるライドのギタリストですが、かつてオアシスでベースを弾いていたことがあります。オアシスからノエルが脱退した後に残されたメンバーで作ったビーディ・アイにも残留(ただし、ギターとして)。このバンドは、東日本大震災の際に、チャリティシングルとしてビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」をカバーしたりしていました。

Beady Eye - Across The Universe

しかしビーディ・アイも数年の活動で解散し、アンディ・ベルはライド再結成に合流しました。ライドはライドでレジェンド級のバンドなので、アンディが再結成オアシスに参加するのはちょっと厳しいかもしれません。


ダフ・マッケイガン。
ガンズ&ローゼズのベースです。彼が、セックス・ピストルズのギタリストであるスティーヴ・ジョーンズと共演する動画が最近公開されています。
曲は、デヴィッド・ボウイのカバーで Heroes。

Duff McKagan - Heroes Live from Islington Assembly Hall feat. Steve Jones of Sex Pistols

ダフ・マッケイガンがギターボーカルなのはともかくとして、なぜスティーヴ・ジョーンズがアコギのコード弾きしかしていないのかは謎。せっかく出てきたんだからリードギターをやったらよさそうなもんですが…


ロジャー・ウォーターズ。
パール・ジャムのエディ・ヴェダーとともに、名盤The Wallのなかの一曲をやっています。

Roger Waters & Eddie Vedder: "Comfortably Numb" Live at "12-12-12" The Concert for Sandy Relief (HD)


ジャック・ブルース。
この人は、ドラムの日にも登場しました。そのときはコージー・パウエルとの共演ということでしたが、ここではジェスロ・タルのイアン・アンダーソンらと共演。ベースではなく、鍵盤を弾いているというレア動画です。

Fela Kuti/Jack Bruce/Ian Anderson/Eberhard Schoener&Band - Jam Session (Circus Atlas, 15th Nov 1983)

タイトルや動画全体の感じからして、主役はフェラ・クティでしょう。
この人はナイジェリアのアーティストで、いわゆるアフロビートの先駆者。ナイジェリアの抑圧的な体制と闘ってきた闘士でもあります。


フィル・ライノット。
ジョン・サイクス、リック・ウェイクマンと共演する動画がありました。この動画でのフィルもベースを弾いてはいませんが……

Phil Lynott & John Sykes - The Man's A Fool (GasTank Ep 3) | Rick Wakeman

ジョン・サイクスのギターとリック・ウェイクマンのキーボードの掛け合いはなかなかエキサイティングです。ベースの話ではありませんが……


最後に、フィル・ライノットでもう一ネタ。
彼がベースボーカルをつとめていたシン・リジィのニューアルバム発表という話題があります。フィル本人はすでに死去しており、もはや祖国アイルランドに銅像が立っているような伝説上の人物なわけですが……過去の音源を使用して、アコースティックバージョンのアルバム。そのなかの一曲が、Youtubeで公開されています。

Thin Lizzy - Whiskey In The Jar (Acoustic Version) [Official Lyric Video]


ゴジラ新作制作へ

2024-11-03 22:31:11 | 日記


本日11月3日は、文化の日……

ですが、ゴジラの日でもあります。

毎年この日はゴジラフェスというものが行われており、今年も開催されました。
毎回、新作のショートフィルムがあって、これがゴジラファンにとっては嬉しいものとなっております。
去年は、『ゴジラ対メガロ』50周年ということで、メガロとジェットジャガーが登場。ジェットジャガーのほうは、次回に続くというような形になっていて、今年その続編が公開されました。
下は、その予告編動画です。
例年だと、本編の動画も東宝のチャンネルにアップされるんですが、今年は今のところまだ出ていないので……

『フェス・ゴジラ5 怪獣大決戦』予告編

本編のほうは、ゴジラフェス全体の配信映像で見ることができます。
今年はメカゴジラ50周年ということで、メカゴジラが出て来るんじゃないかと思ってたんですが……観てみると、そういう話ではありませんでした。今年は、キングギドラ誕生60周年ということでもあり、キングギドラのほうにフォーカスした動画となっているのです。
ゴジラの長い歴史において、実はメカゴジラとキングギドラは一緒に出てきた作品が一つもなく、そのドリームマッチがいよいよ実現するのかと思っていたんですが……それは持ち越しということに。


ところで、ゴジラといえば、ホットな話題として新作の制作決定という話がありました。

『ゴジラ -0.1』のヒットを受けて、続編が制作されるということです。新たなゴジラサーガの展開……こちらも、大いに期待したいところです。




ドラムの日 ヴィンテージⅩ

2024-10-10 22:04:39 | 日記



今日10月10日は、「ドラムの日」です。

毎年この日はドラマーに関する記事を書いていますが……今年はやはり、ヴィンテージシリーズに合わせていこうと思います。
タイトルの「Ⅹ」は、「エックス」ではなく、ローマ数字の「10」です。10月10日でシリーズ10回目。というわけで、私がYoutubeでキープしていた動画の中からドラマー関連のものを紹介していきます。


コージー・パウエル。
ジャック・ブルースとともに演奏する動画がありました。
キーボードには、ドン・エイリーの姿もあります。

Cozy Powell feat. Jack Bruce - The Loner (Old Grey Whistle Test, 8th Jan 1980)


今年セパルトゥラを脱退してスリップノットに加入したエロイ・カサグランデ。

続報によれば、ツアーのリハ開始直前の脱退となったのは、ぎりぎりまでセパルトゥラと並行しての活動を模索していたためらしいです。スリップノット加入の話が具体的になってきて、スケジュールを提示された時点で、かけもちはどうやっても不可能という結論になり、脱退を決意。なまじぎりぎりまで判断を保留したがゆえに、結果として急なタイミングでの脱退になってしまった……というわけです。まあたしかに、リハが始まってから脱退するよりは、まだその直前のほうがマシではあるでしょう。
さて……そのカサグランデが、スリップノットのドラムをカバーした動画がありました。スリップノット加入前のものですが、この完コピぶりからもスリップノット愛が伝わってきます。

ELOY CASAGRANDE - SLIPKNOT - THE HERETIC ANTHEM (Drum Cover)

この動画ですごいと思うのは、彼が使用しているアプリ。
音源から、特定の楽器パートの音だけを抜くことができるという……これを使えば、憧れのバンドのメンバーになったつもりで演奏できるわけです。


一方、入れ替わりでスリップノットを脱退したジェイ・ワインバーグ。
バンド側は円満な脱退としていましたが、ジェイのほうは解雇という認識になっているらしく……そのショックでセラピーに通わなければならなかったのだとか。
新たに加入したバンドがSuicidal Tendencies (自殺傾向)というのが、またなんとも危うい……
下は、その Suicidal Tendencies で、ジェイ・ワインバーグのドラムが見られる動画です。

Nós Somos Família Music Video


リンゴ・スター。
前に紹介したチャリティ・イベントに、リンゴも出演していました。
ビートルズで同僚だったジョージ・ハリスンとともに、While My Guitar Gently Weeps をやっています。

George Harrison & Ringo Starr - While My Guitar Gently Weeps (The Prince's Trust Rock Gala 1987)

元曲に参加していたエリック・クラプトンもステージ上にいるというところがすごい。
ほかにも、エルトン・ジョンやジェフ・リン、フィル・コリンズといった人たちがいます。


訃報に関連した話ですが……今年、ジェファソン・エアプレインなどのドラマーだったジョン・バーベイタが死去しました。
タートルズというバンドでドラムを叩いていて、タートルズの活動終了後、クロスビー、スティル、ナッシュ&ヤングのバックでドラムを叩くことに。そういう西海岸人脈から、デビッド・クロスビーの紹介でジェファソンに加入することになったとか。
そのときのこぼれ話として、同時期にイーグルスに参加する話もあったといいます。これもウェストコースト人脈でまわってきた話でしょうが……バーベイタがこれを断ったのは、ロック史における重要なできごとといえるかもしれません。もしイーグルスのドラムがドン・ヘンリーでなかったら、その後のロック史は大きく変わっていたでしょう。

で、ジェファソン・エアプレインで、バーベイタが参加する動画としてWooden Ships。
CSNの曲で、ジェファソンもカバーしました。このライブバージョンでは、バーベイタがドラムを叩いています。

Wooden Ships (Live at Winterland Ballroom, San Francisco, CA 9/1972)


スコット・トラヴィス。
ジューダス・プリーストのドラマーです。最近、この人が通常とは逆の握り方でスティックを持っているという話を聞きました。ニール・パートなどの影響で、そのほうが音の粒が際立つからということなんですが……はて、ニール・パートはそんなスティックの持ち方をしていたかな、という疑問もわいてきます。
しかし、スコット・トラヴィスは確かにスティックを逆さまに持っています。
以下の動画で、それがはっきり確認できます。

Judas Priest - Invincible Shield (Official Video)

ちなみにこの曲は、今年ジューダスが発表したニューアルバムのタイトル曲。
この人たちも、まだまだ現役です。



ニール・パートの影響を受けたドラマーといえば、マイク・ポートノイ。
昨年、古巣ドリームシアターへの電撃復帰という話題もありました。
そんなポートノイが、ポケモンドラムキットで遊び倒すという謎動画がありました。

Mike Portnoy: 'Name That Tune' on Pokemon Drum Kit

これはもう完全にネタですが……ちなみに、ハローキティドラムセットで遊んでいる動画もあります。
こちらの動画では、ハローキティギターともコラボ。ギターのほうでも、ザック・ワイルドやマーティ・フリードマン、ロン“バンブルフット”サールといった名うてのギタリストたちが登場しています。

10 Epic HELLO KITTY Jam Sessions


メタル系でもう一人、アイアン・メイデンのニコ・マクブレイン。
この人は、昨年、軽い脳梗塞にかかっていたことを発表しました。一時は右腕などが麻痺していたとのこと。リハビリでだいぶ改善したものの、完全な回復とはいかず、演奏不能になった曲も。The Trooper で、16分音符から32分音符になるフィルができなくなっているそうです。
アイアン・メイデンといえば、今年は来日公演もありました。
公演後には、公式Youtubeチャンネルで日本への感謝のメッセージ動画を公開。なぜか、メイデンを代表してニコ・マクブレインが一人でしゃべっています。

Thank you Japan!


おなじみデイヴ・グロール。
フーファイターズでドラムを叩いていたテイラー・ホーキンスが2022年に死去したという件はこのブログでも何度か書いてきましたが、そのテイラーの息子であるシェーン・ホーキンスがフーファイターズの面々とともに演奏する動画がありました。

Foo Fighters ft. Shane Hawkins Perform "My Hero" | MTV

デイヴ・グロールといえば、最近の話題として、米大統領選で共和党トランプ候補の選挙活動にフーファイターズの曲が勝手に使われているとクレームをつけた件があります。ほかにも多くのアーティストが同様の抗議をしているわけですが、今や米ロック界のゴッドファーザー的な立ち位置にいるデイヴの抗議には重みがあったんじゃないでしょうか。
そこはロックな話なんですが……かと思えば、また一方で、婚外子の存在を公表するなどという話題もあって、ワキが甘いというか……まあ、それもロックなのかもしれません。

最後に、デイヴ・グロール関連でもう一曲。
AC/DCのブライアン・ジョンソンをゲストに迎えてフーファイターズが Back in Blackを演奏する動画です。3年前に公開された動画であり、ステージにはテイラー・ホーキンスの姿もあります。

Foo Fighters "Back in Black" | VAX LIVE by Global Citizen

前に、やはりブライアン・ジョンソンを迎えてMUSEがこの曲をやっている動画を紹介しましたが、やはりこれがロックンロールの原点であり、デイヴ・グロールという人にふさわしいといえるでしょう。



宇宙戦艦ヤマト50周年

2024-10-06 23:07:16 | 日記



『宇宙戦艦ヤマト』が、50周年を迎えました。

この伝説的アニメの放送が開始されたのは、1974年の10月6日。それから、今日でちょうど50年となるのです。

松本零士先生については、これまでに本ブログで何度か記事を書いてきました。

しかしながら、意外と宇宙戦艦ヤマトについてはあまり言及してこなかったと思います。
そこで今回は、50周年を機に、ヤマトについてちょっと書いておこうと思いました。



ヤマトについて書くとなったら、私としてはどうしても触れなければならないテーマがあります。

それは、劇場版第二作『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』……

『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』4Kリマスター / 2024年1月5日公開 予告[4K UHD]

この作品のラストについてです。

まあ、かなり有名なエンディングなので、これはネタバレにはならないんじゃないかということで書きますが……この作品において、ヤマトは最後に“特攻”します。敵があまりに強力すぎてもはや通常の戦闘では太刀打ちできないとみて、自爆攻撃を敢行するのです。

私は、この作品に関して、長く一つの矛盾を感じていました。

松本零士先生は、自身の生い立ちから、特攻を賛美してはならないとしている。にもかかわらず、最後にヤマトを特攻させたじゃないか……と。
しかし、だいぶ後になってから、そう単純な話ではないということを知りました。
これは、ヤマトという作品のみならず、松本零士という漫画家が生涯描いたテーマにもかかわる重要なテーマです。なので、この点についてはちょっと詳しく書いておきたい。


まず、前提としておさえておかなければならないのは、「松本零士は『宇宙戦艦ヤマト』の原作者ではない」ということです。

公的に認められている原作者は、西崎義展という人です。

この西崎さんという人が発端となる企画を出し、そこからさまざまな人が関与して、ヤマトという作品が練り上げられていきました。松本零士先生もいわばそのプロジェクトチームの一人。主要なキャラクターデザインなど大きな役割をはたしていはいるものの“原作者”ではない、ということなのです。ヤマトの原作者が誰なのかという問題は後に裁判沙汰になっていて、法廷でそういう結論になりました。「公的に」といったのは、そういうことです。松本先生の手によって『宇宙戦艦ヤマト』の漫画が描かれているわけですが、あれはアニメ放送の後に連載がはじまったもので、今風にいえばアニメのコミカライズなのです。

裁判沙汰にまで発展したというのは、松本零士と西崎義展というこの二者が対立状態になっていたということなわけですが……その対立は、少なくとも『さらば宇宙戦艦ヤマト』にまでさかのぼることができます。

ファンの間ではよく知られているとおり、『さらば』の制作過程においては、制作陣の内部で激しい対立がありました。
アニメで森雪の声を担当した声優の麻上洋子さんによれば、声優陣の前でやめるやめないの争いになることもあったのだとか。
対立の原因はいろいろあったかもしれませんが……そのなかでも大きな原因の一つといわれるのが、先述したエンディングに関する松本、西崎両者の考えの違いです。西崎氏はヤマト特攻というかたちでのラストを提示し、松本零士先生がそれに反対した、と。
そう、つまり、松本先生は『ヤマト』においても特攻に反対していた……ここに、私が考えていた矛盾はなかったということなのです。
結果として『さらば』では西崎案に従ってヤマトは特攻するわけですが、この話にはまだ続きがあります。この映画の後に、ヤマトの新たなTVシリーズが制作されるのです。
その『宇宙戦艦ヤマト2』は、劇場版の『さらば』と同じ白色彗星帝国との戦いを描いています。そして、このテレビアニメ版のラストでは、ヤマトは特攻という手段を択ばないのです。
逆はあっても、劇場版アニメをもとにしてテレビ版アニメを作るというのはなかなか異例のことでしょう。まして、劇場版でこれが最後の作品と明確に打ち出している状態では……そこにはやはり、特攻というかたちでのエンディングを是としなかった松本零士先生の強い意志が働いていたのではないでしょうか。

このことには、もちろん賛否があります。ヤマトファンの間では、劇場版のエンディングのほうがいいというほうが多数派かもしれません。
また、私個人としては、あの状態でヤマトに自爆攻撃をさせるということと、かつての日本軍がやった特攻を批判することとは必ずしも矛盾しないという考えもあるんですが……
しかしやはり、重要なのは、松本零士先生が特攻というものにあくまでも否定的だったということです。そこは、『宇宙戦艦ヤマト』という作品に接するときに、知っておいたほうがいいんじゃないか。作品が50周年を迎え、松本先生も世を去った今、そんなふうに思われるのです。