私の子供のころは、正月が待ち遠しかった。「もう幾つ寝るとお正月・・」と歌の通りに待たれた。その理由は、腹一杯餅を食べることが出来ることだった。又少し大きくなってからは、カルタトリ(百人一首)をする楽しみでした。随分熱中したものです。北海道は下の句カルタだから、読み手は今とったカルタの下の句を読み次の下の句に移る。「恋ぞ」「恋に」で「ぞ」か「に」とかを読み手の呼吸からいち早く察して取る、「我が衣では露」「我が衣でに雪」では「「は」か「に」かで苦労する。早いのがいた、記憶力の差もあるけれど、凄く勘のいい人もいたりした。凍ったミカンを焼いて食べたりした記憶もよみがえってくる。
今の時代、お盆も正月も待たれるものにはなっていない。現役で仕事をされている方は、連休で故郷に帰ったりする楽しみはあるし、そのお宅の子供はそんな旅行が出来る楽しみはある。でも、指折り数えて待つようなものではない。又楽しみも昔とは全く変わって、カルタトリのような集団での遊びはなくなっている。
今、私が指折り数えて待つのは立春です。後一週間に成りました。この一週間も寒い日は続くでしょうし、雪撥ねもしなければならないと思う。立春の後でも大雪の日はある。でも、立春・・・この言葉はいい、陽射しの強さが違ってくる、日が伸びたと実感できるようになる。若いときは、雪撥ねも苦にならなかったし、車を走らせても、そんなに雪を恐れることも無かった。この年になると雪撥ねは大仕事なのです、車も、昔の車から見れば格段に良くなっているのだから、雪を怖がることも無いくらいだけれど、余り走らないだけに雪道が怖い。いやな冬に区切りをつける立春が待ち遠しいのです。立春の後すぐ札幌は雪祭り、冬を送る祭りとなるのです。
後一週間・・・ 立春が待ち遠しい。