これは本来悔いになるべきだが私にとっては良かったこと。高等学校に管理職登用試験が実施されるようになって間もなくのことでした。新しく森浦校長が着任してきた。九州男児で剣道の指導者で筆を執っても太刀打ちのできる人がいないくらいの方でした。最初に職員室で顔を合わせた時に、いきなり村川君だねといわれ驚いた。この校長先生に大変世話になった。当時、校長から教頭試験に推薦されて断った人で後から教頭になった人はあまりいないという話を聞いたことはあった。まさか私が推薦されることはないと思っていたから、この校長から今年の管理職試験に君を推薦するといわれ一晩考えて辞退させていただいた。そして、私より年下の方を推薦してあげてほしいと返事をしました。この時話を受けておけば私も曲りなりの教頭になったと思いますが、それが災いしてかのちにチャンスをいただきましたが駄目でした。そのおかげで詩吟に没頭することができ、退職後の人生がとても充実したものとなったのです。多くの仲間が管理職になりました。しかし、中には勤めきれずに退職して帰ってきた時には半病人となっていて間もなく亡くなられた方もいますし、管理職になられた方は比較的早く他界されています。それだけ精神的な苦労が多かったのでしょう。
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