熊本市の繁華街下通りに複合商業施設「cocosa」が開店したのは先月27日。30代女性を主なターゲットにし「おしゃれの中心はココサです」と連日賑わいを見せている。そういえば震災後、いくぶん人通りの少なくなった下通りだが、「cocosa」とのコラボのせいか随分と人通りが多くなった。日曜祝日平日をとわず人出はかなりなものだ。
話は変わるが店名のココサから童謡の「肥後のてまり唄」を思い出した。
- あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ 船場(せんば)さ
- 船場山には狸がおってさ それを猟師が鉄砲で撃ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ それを木の葉でちょいと隠(かぶ)せ
もう一つ
- あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ 船場さ
- 船場川にはえびさがおってさ それを漁師が網さで捕ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ
熊本城の南、坪井川にかかる洗馬橋周辺には、あちこちにタヌキの銅像がある。洗馬橋の欄干にはタヌキとえびさの彫刻がある。郵便局前のポストの上にタヌキが衣装を着けて鎮座している。
ところがここで歌われた「せんば山」「せんば川」という名の山や川は県内に存在しないようだ。えびさは別にしてタヌキは一体どこにいたのだろうか。
せんば山は、洗馬橋の約500㍍ 西、城下町の西端に当たる高麗門付近。また、橋の北側の県立第一高校の敷地内の丘、その他沢山の説があるが、明確な根拠はない。
話は変わるが、私の住む団地と中心街を結ぶのは、熊本電鉄バスの高平線。バスは坪井川沿い約6キロを走っている。
その途中に船場、津之浦、打越、稲荷山などの停留所がある。川の近くではあるが何故船場なのか。津之浦なのかいつも疑問に思っていた。この停留所名は多分地名から採ったものだろうが、その由来をバス会社に訪ねても満足な答えは出てこない。
随分前の新聞に、稲荷山バス停の前の丘が〝せんば山”と話された大学の先生の記事があった。もちろん〝せんば川”は坪井川ということだろう。
それ以来、自分勝手に一存で〝せんば山”は〝稲荷山”と決め「肥後のてまり唄」のたぬきに夢を膨らませている。