“むかご”ご飯が待ち遠しい

　　台風の進路が心配だが、今朝は青空がのぞく好天気。

　　朝６時３０分からのラジオ体操を終え散歩の準備をしていると、“うちの奥さま”もそわそわしだした。一緒に歩くと言う。時々ツーショットで散歩したことは何回かあるが、交通事故の後では初めてのこと。どうも私の身体が心配のご様子。

　　一緒に朝の散歩も悪くないといつもよりゆっくりと遊水公園近くを歩くこととした。いつもより会話が弾む。その途中で、奥さま小さな“むかご”を見つけた。まるで小豆のように小さなむかごだったが、嬉しそう。１０粒位はあっただろうか。

　　それからが大変。散歩は横に置いて、老夫婦むかごはもうないかと眼を皿のように広げての“むかご”探し。どうやら手のひらに乗るくらいの“むかご”が取れた時は、ずいぶんと時間がたっていた。家に帰りついたのは、約１時間後。毎朝楽しみに見ているＮＨＫの朝ドラ“まっさん”がもう始まっているではないか。お昼のテレビで見るとしよう。

　　「この“むかご”どうしよう」奥さんが訪ねた。いつもは油で揚げるのだが、今日のむかごはあまりに小さく量もわずか「むかごご飯がいいね」と答えた。朝の散歩の思わぬ収穫、明日朝のむかごご飯が待ち遠しくなってきた。

　　

老人夫婦の街歩き

　 南の海上には非常に強い台風１８号が発達しながら本土上陸をうかがっている。その後ろには台風１９号も控えている。さめやらぬ台風の季節。大きな災害をもたらさないよう願うばかりだ。台風は怖いよ。こちらには来ないでくださいね。

　天災といえば御嶽山の噴火。死者は５０人を超えようとしている。セメントのように固まる火山灰と有毒ガスなどで捜索は難攻しているという。捜索隊員の方々のご苦労が手に取るようだ。火山灰に埋もれた山頂付近の惨状には目を覆いたくなる。被災に合われた方々のご冥福を心からお祈りしたい。

　嵐の前の静けさと言おうか、今日の熊本は絶好の秋日和。地元のデパートでは「大京都展」が開かれている。毎日が日曜日の老人夫婦、久しぶりに揃って街へ出ることとした。

　まず最初はお昼の食事。行きつけのレストランはケルンよしもと。ハンバーグとドリヤ、オムライスが評判のフランス料理店。“うちの奥さま”はドリヤ、私はオムライス。おいしかった。

　電車通りから見える熊本城の木々のみどりがすがすがしい。お城見物をしてみようと欲が出た。

　　　　　　　　　　　　　　　

　熊本市では７０歳以上の老人にさくらカードが支給される。さくらカードは市内の電車・バス料金は５分の１。市内観光施設の料金も無料となっている。勿論熊本城の観覧料は無料。観光客で賑う桜の馬場城彩苑から無料バスでお城入口へ。平日というのに沢山の観光客でにぎわっている。今日は天守閣でなく、入口近くの重要文化財、木造の宇土櫓に上ることとした。時を経て変色しかけた気の老化、シロアリの食った後も見受ける。狭い階段を息を切らして登ると素晴らしい景色が広がっていた。熊本城の２層の天守閣が目の前にある。遠く阿蘇の噴煙も望める。

　お城見物の後は「大京都展」。お目当ては伏見の「七味とうがらし」いつも１年分をまとめ買いする。料理に使う青い山椒の実も並べてあった。５袋お願いしたが２袋しかないとのこと、人気がないのかそれとも売れてしまったのか、残りは後で送ってもらうこととした。

　久々の街歩きは楽しかった。また、ときどきはこようねと奥様とニッコリ顔を見合わせた。ところが歩きすぎたのでしょうかその夜、腰が痛くなった。病院でいただいたシップ張り薬の出番だ。年には勝てぬとつくづく思った

また朝の散歩を始めます

    ８月３０日の交通事故以来、散歩の出来ない日が続いたがどうやら痛みもやわらいだ。東の空が明るい。涼しい風も吹いている。思い切って散歩を再開した。

　  ゆっくりと団地の周囲をまわる。

　　久しぶりの散歩で何か付近の風景が変わったような気がする。柿の実もすっかり色づき、たわわに下がっている。心持周囲の木々も色づき始めている。小さな坂では息切れしそうになったがどうやら大丈夫。小学校の通学路にさしかかると、小さな子どもたちから「おはようございます」と元気な朝の挨拶をいただいた。こどもたちとは夏休みが終わってから初めての御面会。

　　散歩の途中いつも短い会話を交わす交通整理のおじさんが「お久しぶりですね」とニコニコあいさつされた。散歩の途中、行きあう人と交わす短い朝の挨拶で、急に自分が若返ったような気分になった。

　　交通事故のおかげで、朝の散歩がこんなに楽しいことだと初めて知った。健康であることが大切だということも実感できた。

　　朝のラジオ体操、それと朝の散歩。これからも欠かさず毎日続けることとしよう。交通事故には最大の注意をはらいながら。

　 

　

１０月の過密なスケジュール

  　１０月はとても行事の多い月。壁に掛けた暦に１０月の予定を書きこんだ。

　　交通事故による病院通いは毎日続いている。その間に月１回の歯医者にも行く。

　　１０日金曜日はいつも楽しみにしているＯＢ会の碁会。１２日は全国大会出場も夢見ながらのケーブルテレビの囲碁大会。１３日から３泊４日の沖縄旅行。これは結婚５０年の記念旅行。楽しみでならない。

　　旅行から帰る日の翌日は、交通事故の後遺症を調べるための最後の診察日。切開手術とは言わないでくださいね。２２日に十二指腸潰瘍検査のための内視鏡検査を受ける。損害保険会社との示談交渉も待っている。

　　スケジュールを見て驚いた。まさにサラリーマン時代と変わらない。それ以上といえそうな過密スケジュールだ。少しだけ楽しくなった。若返ったような気にもなる。老後を元気に過すための秘訣「今日行く（キョウイク）」「今日用がある（キョウヨウ）」を採点すれば今月は１００点以上間違いなし。　　

　　金婚式を機会にこれからももっと頑張ろうね。仲良くしようねと。“うちの奥さま”と顔を見合わせた。