【今回は6作品をイッキ読み!】
今回は評論第六弾として最近読んだ6作品を勝手に評価する。
今回は歌野晶午作品6作品を読書感想文として紹介しよう。
「魔王城殺人事件/歌野晶午(2004年9月 講談社)59」
ひとつのトリックで一冊引っ張った作品。
子供らを主人公にすることで厚みを持たせようという空気がうかがえる。
だけど、ところどころ子供が子供らしくないところなどあってモヤモヤしたかな。
得意の密室殺人だけど、大きなヒネリもなく・・・。
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「世界の終わり、あるいは始まり(2002年2月 角川)50」
最初から「何か読みにくいなぁ」と感じながら最後まで読み進めた作品。
最後を読まないと途中が全く意味不明でとにかく混乱する。
最初の書き出しがケツとつながるところは歌野作品らしさはあるももののとにかく読みにくかった。
ちなみにこれは推理小説ではない、別ジャンルといえる。
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「安達ヶ原の鬼密室(2000年1月 講談社)74」
短編集。
これも「おいおい歌野氏どうした?」って作品が散見。
タイトルが付いた作品である「安達ヶ原・・・」は大いに読めた作品ではあったが、それでも・・・。
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「生存者、一名(2000年11月 祥伝社)78」
この作品を読んで思ったことがある。
オレの趣味でもあるけれど、同氏の作品は密室ものではないこのような展開が最も面白いのだと。
歌野氏特有の最初と最後がつながる伏線回収が、このような短編作品であってもそれは見事なもの。
うん、これは面白かった。
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「館という名の楽園で(2002年6月 祥伝社文庫)76」
ゴリゴリの密室ミステリー。
ストーリーはしっかり読みこめるが、展開は”らしく”なかったのかも。
ラストは、賛否あるところだろうか。
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【今回のMVPは?】
「ジェシカが駆け抜けた七年間について(2004年2月 原書房)79」
珍しく密室色が強くない小説風に仕上がっている。
また、彼が外国人を主人公やその舞台にすると、どうしても読み込みにくくなりがち。
だけど、その点をうまく消せていて、しっかり読み込める。
そんな展開があるところや、犯人に対する目付を読者に惑わせる方向性も面白かった。
推理小説かというと探偵も登場しないが、実に興味深い作品だった。
こんな切り口、歌野氏作品として大変珍しいこともあるからかな。
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