【前回は5作品だったけれど】
今回は評論第四弾として最近読んだ5作品を勝手に評価する。
ALL歌野晶午作品の読書感想文として紹介しよう。
【本編前に、まずお断り】
すでに先月あたりに何冊かの読書感想文をUPしているつもりだったのだけど、自身の過去ログを読み返してみたところ、その一切を全く記事にしていなかったことが発覚した。
しかも、なんと例の試験以降、順調に10冊も読み終えていたというのに。
では早速、その前半戦として歌野晶午氏の5作品をレポートしたいと思う。
【密室殺人ゲームシリーズ3作品】
1980年代後半から登場した同氏の作品、信濃譲二シリーズがイチ段落した後に始まったシリーズモノがこの密室殺人シリーズだ。
しかし、読めばわかるがシリーズモノなのに1作品目が1冊完結だったはずなのに、全く同名で同サークルが展開するストーリーが2・3冊目と改めて始まっている(ように思わせてしまう作りになっている)。
つまり読者は、いつかそれがつながるものかと思って頭のどこかに置きながら読み続けるワケだから、別物で本線と別の流れになっていようがモヤモヤしたままストーリーが終わる。
1冊目だけ、もしくは2,3冊目だけの展開だったなら、それはそれで高評価としたかった作品であったと、ここで述べさせていただきたい。
「①密室殺人ゲーム王手飛車取り(2007年1月 講談社)74」
ストーリー中の参加メンバーらによるやり取りがうざったいものの、終盤のあっと驚く展開は見事。
しかしオーラスの締めは、ちょっとガッカリだったなぁ。
「②密室殺人ゲーム2.0(2009年8月 講談社)59」
前述のとおり、連作かと思いきやの展開に翻弄。
メンバー名は同じなのに中身は前作と違うという設定であるがゆえ、読むペースがすっかり乱される。
相変わらずメンバー同氏のやり取りがうざいのも難。
言い方は悪いがうざい会話で文字数を増やしているようにも感じてしまった。
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「③密室殺人ゲーム・マニアックス(2011年9月 講談社)55」
うざい会話を除けば、そして初作を読んでいなければ
前作の2作目と関連して立派な大オチだったハズなんだけどねぇ・・・
【残りの2作品はそれぞれ独立作品】
「ガラス張りの誘拐(1990年8月 カドカワ)60」
1990年代を知っている世代にとっては、まだまだ新鮮に読める作品。
だけど、登場人物が全員揃う前に、犯人役のキャストが登場した段階で即判明してしまう流れが結構残念。
そのためオチも締まらず・・・
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【今回のMVPはこの作品だ】
「死体を買う男(1991年5月 カッパ)92」
これは1991年に発表された作品だが、ストーリーそのものはもっともっと昔から始まっていること。
薄々こんな結末になるだろうなぁと読み進めるのだけど、一切それを裏切ってくれる。
いささか時代が前後するので頭の整理が必要になるが、乱歩の時代を超えた今の時代でも十分通用する重複トリックに深く感服することだろう。おススメだ!
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