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映画レビュー、ニュースネタを中心に、自身のメンタルチックな話題を絡めて、ノージャンルで書き綴るぜぃ~

映画 「沈まぬ太陽」 レビュー

2009年11月04日 13時43分43秒 | Weblog


沈まぬ太陽 - goo 映画


【ネタバレなし】


沈まぬ太陽

言わずと知れた山崎豊子原作の同映画。
上映前から、様々な話題になった問題作(※)でもある。


この映画は、上映直前に主演の渡辺謙氏がメディアで、この作品に賭けた並々ならぬ努力やその苦悩を述べていたことからも、多くの障害が立ちふさがっている作品である。


オレもレビューを鑑賞するまでは書く気満々だったのだが、見終わった後、感想を述べるべきか迷っていた。


その理由は・・・・観れば分かる?
さすがに「観れば分かる」というレビューじゃカッコつかないので、今日まで少しずつ書きながら編集してきたことを申し添える。



では、レビューを綴っていこう。
沈まぬ太陽 - goo 映画


客の入りは、2割程度だったが、映画館が臭かった。
と、いうのも客の大半は中年の男女が占めており、加齢臭と化粧水のにおいでダウンしそうだった印象がまずある。


しかも、若者よりマナーが悪い。
上映中もボリボリとポテトチップを食べあさり、ペチャペチャと喋る。


しかも温泉地シーンが登場すれば「あ、草津かな?・・・やっぱり草津だよ~」とか、1シーン毎にコソコソ語る者まで。


(ちなみに映画で使った温泉宿の風景は、実際に草津なのかも知れないが、ストーリー上では福井県の三国温泉を指すものであろう重要な場面でもあるのだ)


どの世代でも、モラルのない人間が存在するということも、改めて知らされた。
また、この映画は、上映開始後1時間47分後くらいに休憩時間がある。


なんたって、上映時間は3時間22分という大作だ。
途中で休憩があるという映画、オレは初体験かも。


タイミング的には、ちょっと飽きてきてトイレに行きたくなるところであり絶妙なところで休憩が入る。


ご丁寧に
「INTERMISSION」とでっかくセンターに表示され、後編の開始時刻までの残り時間をカウントダウンしてくれるぞ。


勿論オレも用足しとタバコ一本をこなせたし、映画館の関係者も普通に外部となる喫煙所に出入りを認めていたのが、妙な雰囲気で面白かった。


(なお、再上映開始後は、CM等なく、いきなり始まるから遅刻厳禁だ)


休憩時間を挟んで前編後編とすると、前編は、主人公「恩地」が会社の組合の委員長として、会社のため、社員のため熱く戦う情景を、また、会社側からの報復人事(懲罰人事)で長い海外生活を余儀なくさせられながら不屈の精神で過ごすというところが描かれている。


後編は、(当時)組合の副委員長として一緒に戦った同志の「行天」が、エリートコース(我が道)を進むため、会社を食い物にしている連中とともに国や国交省幹部、新聞記者らと結託する様子が描かれている。(汚職描写)


前後編共通して描かれているのは、あの日航ジャンボ機墜落事故(御巣鷹山の事故)を彷彿とさせる一連(事故から補償まで)である。
(ちなみに御巣鷹山は、実際の状況を写している)


また、恩地の家族との関係も、全編に組み込まれている。
家族間のやりとりもストーリー上、非常に重要なポイントだ。


最近の映画に多いことだが、映画のタイトルの意味が見終わる直前まで不明である作品が多いのだが、この作品も例外ではない。
最後まで見ないと、その意味が分からないので、必ず最後まで見るようにされたい。


なお、エンドロール後のサプライズはないが、滅多にお目にかかれない但し書きが最後に流れる。
要は、この映画が「フィクション」であるということだ。


フィクションが前提の作品が大半を占める時代にあって、わざわざフィクションであることを強調させる必要がある作品なのだ。


それは、
御巣鷹山の事故(123便という便名まで忠実に再現してたし)に然り、ナショナルフラッグキャリアであることからの癒着に然り・・・・と数々細かなところまで、事実に基づく描写が表現されているためであり、分かっちゃいるけど、フィクションであることをうたうためなのだ。


問題作と言われるこの作品。
実写化は難しいとされたためであるが、オレ的には、良くできた作品かと思う。


ただ、山崎豊子氏という一人の作家が、ここまで自身の取材で明らかになったということも、その作品に意味がある。


重みや重さも映画鑑賞者は感じなければならない。
たとえ、フィクションという肩書きがあっても・・・だ。


この様な汚職にまつわる事象は、氷山の一角だとも思うのだが、様々考えさせられた。
従って中年のみならず、社会人全員に観て貰いたい作品だと感じた。


こういったことって国家にかかわらず、民間の企業でも、コトの大小はあるだろうが社会の縮図とも言えようし・・・・


しかし、渡辺謙氏の表現力には感服する。
大企業の中でも圧力に屈せず、不遇に耐え、遺族らへの目線で接した態度、苦悩を熱く素晴らしく演じた。(恩地役)


もう、オレの中で主演男優賞を贈呈したい。


そして、三浦友和氏が演じた「行天」という男。
ストーリー上、かなり重要な役どころだったのだが、(ずる)賢くて出世欲がある人間を見事に演じたと思う。


勿論、助演男優賞を贈呈しよう。


残念なのは、その他のキャスティングだ。
他に日本の俳優はいないのかというくらい、オレが観る映画では、度々登場するキャストが引っかかった。


たとえば、八木という組合員を演じた「香川照之」氏や主人公の恩地の娘役を演じた「戸田恵梨香」氏。


彼らを悪く言うのではない、お互い名演者だと勿論評価している。
しかし・・・だ。


様々な邦画で数々登場して、観ている方は、一つの作品の中で、それぞれを判断しようとしているが、こうもカブってくると、あまり気持ちのいいものではない。


この作品に関して言えば、キャストは、大変満足しているのだが。


以上!!
(オレの評価は92点)



■おまけ


あらすじや背景などは、以下をご覧頂きたい。
なぜ映画やドラマ化されなかったかがの詳細も分かるぞ。
(ネタバレなし)



日航を連想させ、遺族への配慮が欠ける・・・・というものなのだが、
残念ながら、本音と建前を見極めれば、その答えも鑑賞後に引き出せるだろう。


・ 沈まぬ太陽 あらすじ (goo映画)
・ 沈まぬ太陽 ウィキペディア

(ウィキペディアのほうが、分かりやすいが、出来れば鑑賞後に眺めた方が良かろう)


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