ベルのきもち

日常のささやかな幸福感を書いていきたいと思います。

スウェーデンミステリー『監視ごっこ』

2014-12-25 08:25:33 | 本の紹介
byアンデシュ・デ・ラ・モッツ。真崎義博訳。ハヤカワ文庫。

前科持ちで失業中のペテルソン。地下鉄の座席で携帯電話を拾ったことがすべての発端だった。
ろくでなし、やる気なし、少々分別のたりないペテルソンはその携帯が命じるゲームにはまっていく。
始めは見知らぬ男の傘を失敬するだけのささいなミッションはやがて殺人未遂、破壊、テロへとエスカレートする。
ミッションが成功すると、そのサイトではポイントとお金が手に入り、またサイトの観客から絶大な賞賛を
あびることが快感になっていき・・・一種の中毒になっていくのだった。
またミッションに失敗したり、ミッションを拒んだりすると見知らぬ者から放火されたりひどい目にあったりした。
つねに見えない者から監視され・・・
つまりこのゲームを始めた者はもう自分の意志でゲームを止めることができなくなるのだった。
気がついたときには背後の巨大な力に操られていて・・・その正体すら不明。
コンピューターオタクの親友と刑事の姉をたよりに、ペテルソンは見えない敵と向き合う決意をする。