僕は、大学時代、親友と大阪駅で待ち合わせ、そこで行き先を決めて、旅を始めるという事をしたことがありました。二人で話し合った結果、山陰の玉造温泉に行こうという事になり、旅館の予約と急行列車の予約を取り、二人の旅は始まりました。
そして、列車が豊岡を過ぎ、強い風で揺れながら、ある駅で止まったのです。
そして、車掌のアナウンス・・・「この先に高さ○○メートル、長さ××メートルの日本で二番目の高さを誇る餘部鉄橋がありますが、・・・その鉄橋から、この列車の前の列車が落ちた模様です。復旧の目処はたっておりません」という内容でした。

車掌も動揺していたのでしょう。鉄橋の案内は、いらないのに、いつもやっているので、それをしゃべらないと、事故の事を喋れなかったのかもしれません。僕と親友は即座に列車を降りて、駅前に一台だけ停まっていたタクシーに飛び乗り、浜坂駅まで行き、そこに停車していた特急で、玉造温泉になんとか到着できました。着いてすぐテレビのニュースを見たら、すごい事故で、鉄橋のしたのカニ加工工場の方が亡くなられていました。
人生の生きる流れというのは不思議だと思いました。亡くなった方には、御冥福を申し上げました。






