ウクライナ民兵組織「米国製兵器」でロシア領土攻撃…
米ロ間の緊張高まる
ロシア領内に侵入して戦闘を行った「ロシア解放部隊」などのウクライナ側の民兵組織が、米国の重火器を使ったことが確認された。ウクライナ戦争をめぐる米国とロシアの間の緊張がさらに高まることになった。
ロシアは23日、前日にベルゴロド州の境界に隣接する村を攻撃したウクライナ武装勢力が使用し、破壊されたり捨てられた米国製装甲車などの写真を公開した。BBCやフィナンシャル・タイムズなどが報道した。写真には、破壊された米国製マックスプロ装甲車や軍用ジープのハンヴィーなどの姿が含まれている。
この攻撃に参加したウクライナの「ロシア志願兵部隊」の指導者デニス・ニキティン氏は、フィナンシャル・タイムズに、隊員が米国製装甲車やジープなどを所有していた事実を認めながらも、これをどのように入手したのかは明らかにしなかった。米国は、ウクライナにロシア領土を直接攻撃できる長距離兵器は供給していない。また、提供した兵器に対しても、ロシアを直接攻撃することには使わないことを約束させていた。
米国務省のマシュー・ミラー報道官はこの日の会見で、米国が提供した兵器が今回の侵入で使用されたという報道に言及し、「現時点ではその報道の真実性に懐疑的」だと述べた。さらに「我々は、ウクライナ国境の外に対する攻撃を可能にしたり勧告することはしないでいるという事実を、ウクライナに強く明言してきた」と述べた。
これに先立ち、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に反対するロシア市民で構成された「ロシア志願兵部隊」と「ロシア解放部隊」は、ロシア南部のベルゴロド州の境界地帯にある村のグライボロンなどを、装甲車などを動員して攻撃した。これにより、多くの人が負傷し、地方庁舎が破壊された。ウクライナ軍情報局(HUR)のアンドリー・チェルニャク報道官は、これについて「もちろん、我々は彼らと協力していると言うことはできる」としながらも、ウクライナ軍はこの攻撃には直接関与しておらず、米国が提供した兵器は「徹底した統制下に」あると述べた。
一方、今回の攻撃には、ウクライナのネオナチなど極右勢力が参加したことが確認されている。欧州内の極右勢力について報道してきた探査報道ジャーナリストのマイケル・コルボーン氏は、フィナンシャル・タイムズに、「ロシア志願兵部隊」の指導者ニキティン氏が昨年夏に作ったこの部隊に、ネオナチを自称する勢力が含まれていることを明らかにした。ニキティン氏自身も、西側の極右・過激派勢力の間で有名な白人民族主義者として知られている。コルボーン氏はまた、この攻撃に、2020年にウクライナで逮捕された極右主義者アレクサンドル・スカチコフ氏も含まれていたことを確認した。この人物は、2019年にニュージーランドのクライストチャーチで銃を乱射をした人物の宣言書を配布し、市民を攻撃した疑惑を持たれている。ロシアはウクライナ戦争の開戦の名目の一つとして、ウクライナのネオナチ勢力の清算を挙げてきた。
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