>>>>>> ENTER AT YOUR OWN RISK !! <<<<<<

流れ流れてきた此処は、終の棲家にふさわしいのか?入ってみなきゃ分からない、それがリスク。

東京湾岸奪還プロジェクト ブレイクスルー・トライアル2

2014年10月15日 12時58分51秒 | 読書事
伊園旬さんです。

シリーズ2作目になります。

前作は荒唐無稽色が強く、様々な個性的なチームがバトルを繰り広げていましたが、今回は3つの違法な窃盗と、人質救出作戦の2つになります。

前提としての紳士的な誘拐犯を設定したためか「ブレイクスルー・トライアル」になっておらず、最後のビル上空でのサスペンスも撮ってつけた感じ。

とはいえ、

TVの2時間モノのサスペンスを見ているようで面白かった。

続編もありそうなので、出たら読んでみたい。



付記

表題を見ると東京湾岸エリアでなんか凄い動きがありそうですが単なる場所の記載です。

警視庁心理捜査官・下

2014年10月11日 00時14分30秒 | 読書事
黒崎視音さんです。

下巻です。

いよいよ犯人が登場。

今までの伏線とかには全く絡みません。

プロファイリングも、犯行の特性が変化するという特異なケース。

最初の判定は完全無視です。

しかも、

3番目の犯行は目くらましという判定。

本当か?

簡単に個人が特定出来る証拠を残しての目くらまって?

もう、警察に捕まっても良いっていう開き直り?





別に捕まっても良いっていう判断だったわけではなさそうです。

それより気になったのは。

1.爽子さんに加えられた肉体的な暴行だと所謂「ショック死=カリウムショック(挫滅症候群)」で死ぬ可能性が大です。

  10分以上も無防備に殴られ蹴られた。さらにその後「蹴りつけるという作業」をつづけられていた。幸いにも肋骨は折れていないが。

2.爽子でさえ幾つかの可能性のある場所を点々と2時間以上も捜索してやっと出会えた場所に、詳しい所在(地図を指し示されただけ)も解らないまま探した藤島が爽子を見つけられる可能性はほとんどない。

3.藤島が爽子を追い始めるのは2時間経ってからなので、実質、現地について60分程度以内(失神30分・殴る蹴る10分・蹴り続け不明だが5~10分・髪の毛を切る~首を絞める10分)に岸のアジトを発見していることになる。爽子でさえ2時間以上掛かっているのに。



まぁ、駄目出しが多いですが。

下巻の後半までは、セクシャルな描写が一切なかったので、このままいくかと思いきや、爽子さんへの性的暴行です。

全体のバランスを見てもとってつけたようです。

昔読んだ西村寿行さんや大藪春彦さんや最近では深町秋生さんの一貫した描写と違って落ち着きがありません。

ヴァイオレンスが描きたくないなら別にこうしなくても良いんじゃない?

上巻の後半までは良かったのにちょっと尻すぼみ。

次回に期待。

幻肢

2014年10月06日 15時08分10秒 | 映像事
監督:藤井道人 雅人:吉木遼 遥:谷村美月 川端教授:宮川一朗太 教授:佐野史郎

『ドライブ中に事故にあった大学生の雅人と遥は重傷を負い、意識を取り戻した雅人は、遥と事故に関する記憶を失っていた。記憶を失った息苦しさと恐怖とで日増しに精神状態が悪化していく雅人は、精神科の先端療法である「TMS治療(経頭蓋磁気刺激法)」を受けることにする。それは、ある刺激を脳に与えることで失った記憶を呼び起こすという療法だったが、TMS治療を受けた雅人の前に、写真で見た遥の姿が浮かび上がるようになる。治療が進むにつれて記憶を取り戻していく雅人だったが……。』映画.comより



「島田荘司さんが初めて映画を前提に書き下ろした小説」という売り文句で、予備知識なしに観に行きました。

しかも劇場は、新宿のK's cinema。

初めて聞いた名前でした。

最近、結構映画観るようになっていたのに。



さておいて。

島田さんの原作だったら、という前提で観ていたのですが、進行がどうもいい加減。

記憶になくても、遙が恋人で死んだんだったら普通はお線香をあげに行くでしょう。杖を突いている状態で、実家が遠距離だったらまだしも、脚が治っても行かないなんて…。

また、雅人は生涯孤独なのか、誰も見舞いにも来ない。家族や親戚、友人すら見舞いに来ない。唯一、学友の亀井一人だけだ。

結構な大事故だったにもかかわらず、顔や腕等に外傷が全く見られない。記憶障害になるほどなので当然頭にも大きな傷を負ってしかるべきなのに、頭髪さえ残っている。





残念だったこと。

遙が最後のほうで登場する時、もしかしたら「記憶」というのは遙の記憶なのでは?
でも違っていました。

その後に、遙が現れた時には来られない理由が本当の意味での幻肢=足の切断だったのでは?遙の友達から異常に責められることを考えれば可能性は高い…。
でも違いました。

最後の二人の出会いも、心の隙間・糸の掛け違いで、とんでもない結末が…。
待っていませんでした。



何の面白味もない「普通の恋愛もの」でした。

48点

警視庁心理捜査官・上

2014年10月06日 14時52分27秒 | 読書事
黒崎視音さんです。

処女作らしいです。

文章も読みやすく、心理捜査官というポジショニングなど面白く読めました。

吉村爽子巡査部長と相棒の藤島直人巡査長は、ただ単に捜査の進行に従って流れていくだけ。

特に藤島刑事は形としての相方で人物的な深みが出ていない。

警察ものにありがちな主人公を貶める上官などもありふれている割に「言葉」だけでしか攻めておらず、それに爽子が、深ーく傷つくことの繰り返し。

上巻では、犯人と思しき人物が登場しません。

下巻になると回収されるのでしょうが、分量の割に物語の進行が遅い。

後は、爽子さんの体験がどう後半に影響するのか?

乞うご期待!って言う感じ。


福家警部補の挨拶

2014年10月06日 14時40分54秒 | 読書事
大倉崇裕さんです。

倒叙型の4篇を収めた短編集です。

白戸修の事件簿を以前読んでいたのですが、その時は少し噛み合わないかなって思っていました。

今回の福家警部補は小柄な女性で、刑事コロンボの女性版を意識しているようです。

まぁ気楽に読めてちょっとした驚きも味わえるので機会があれば次の「福家警部補の再訪」も読みたいところです。



今回は古本で読んだのですが、現在流通しているのはカバー図柄が変わっているようです。

私は古いほうが断然よいと思います。

新しい方は福家警部補のイメージがイラスト化されていますが、私のイメージとかなりギャップがあります。

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常

2014年10月06日 14時16分32秒 | 読書事
三上延さんです。

シリーズ2作目です。

アントニィ・バージェス「時計仕掛けのオレンジ」
福田定一「名言随筆 サラリーマン」
足塚不二雄「UTOPIA 最後の世界大戦」

の3篇にプロローグとエピローグが付いています。

いずれも、少ない情報で真相を見抜く栞子さんの話ですが、あまりにも洞察が深すぎる。

1話目はまだいいが、人の心情の奥の奥まで推理しても「あたっている」としか判断できない。

なぜなら、それを証明できないから。

話自体も面白いし、読みやすい文体なので良いのだが。

1巻でも犯罪が出現し、今回も犯罪、しかも刑事事件が容認されている。

と、推理されている。

その暗部が恋愛い小説風な構造と非常にミスマッチである。