ゼロの日に叫ぶ 戦力外捜査官3

似鳥鶏さんです。

シリーズ3作目です。

白昼堂々、都内の暴力団が何者かに殲滅され、偶然駆けつけた刑事2人も重傷を負う事件が発生。警視庁の威信をかけた捜査が進む中、例のごとく失態をおかし戦力外となった海月と設楽は、暴力団同士の抗争であるという捜査本部の見立てからあえて外れて、単独で事件を追うことに。しかし、必死に駆け回る警察をあざ笑うかのように、東京中をパニックに陥れる夜が迫っていた…。凸凹コンビが活躍する、人気シリーズ第3弾! 　by Amazon

今作は完全なシリアス警察ものです。

しかし設定に無理があるように感じます。

プロの暗殺者って…。

しかも拳銃の使い手。

日本では射撃の練習ができる機会ってあんまりないんですが。

場所があっても弾丸が手に入れづらい。

民間人が銃を持つことは違法ですから。

それよりも。

携帯電話に対するトロイの木馬。

どこかでこんな発想の物語を読んだような気もするが、これは評価に値する。

話の流れもスムーズだし、着地点もよい。

これを読んだ後に映画「キングスマン」も見たし。



閑話休題

このシリーズはライトな警察官ものでスタートしたが、今作では「強姦」「殺人」「破壊」等凄惨な描写も多くなっている。

似鳥さんのダークな一面が強調された良作だと思います。

神様の値段 戦力外捜査官2

似鳥鶏さんです。

戦力外捜査官シリーズ2作目です。

新興宗教団体「宇宙神瞠会」が極秘裏にすすめている“ハルマゲドン”計画。ある日、大学進学のために上京していた妹の未来を訪ねた設楽は、妹が知らぬ間に教団信者になっていたと知り愕然とする。必死の説得も届かず、教団にのめり込む未来。妹を人質にとられた設楽と海月は、最悪の無差別テロを阻止し、未来を救うことができるのか!? 　by Amazon

完全に「オウム真理教事件」を基に考えられていますね。

1作目と違い、海月さんの能力と才能が前面に出てきて、設楽さんの無能ぶりを明らかにしている。

前作は一部包まれた表現ではあったが、悲惨な描写もあった。

今作はさらにひどさが増している。

ユーモア路線からシリアス路線へとシフトしている。

まぁ、扱っている内容がアレだから茶化したら作品の品位がなくなるからね。

鍋奉行犯科帳 浪花の太公望

田中啓文さんです。

シリーズ3作目。

大坂西町奉行で食い道楽の大邉久右衛門。つまらぬ意地の張り合いから、料理方の源治郎は奉行に鱧の骨切り修業を言い渡され…。グルメ満載の食いだおれ時代小説第3弾。オリジナル文庫。(解説/ 北野勇作)　by Amazon

田中さんはシリーズが伸びるとシリーズもののいい味を出してくるんですが、ミステリ感が減少してくるんです。

これもそうですね。

面白いけど「ミステリ」部分が弱くなっている。

次も読むけどね。

星降る楽園でおやすみ

青井夏海さんです。

午後六時十分、横浜にある無認可保育室に二人組の男が押し入り、園長の早紀とともに五人の子どもが人質に取られてしまう。身代金は一人五百万円、期限は夜中の十二時。早紀は共謀者の存在に疑心暗鬼になり、人質家族はそれぞれの手段で我が子救出を試みるが、事態は思わぬ方向に展開していく。家族の絆を問う緊迫の六時間。 byAmazon

今回の話は今までで一番ひどい。

ミスリードを誘う部分が白々しいし、およそ内容が現実的ではない。

読みたくなかった本でした。