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流れ流れてきた此処は、終の棲家にふさわしいのか?入ってみなきゃ分からない、それがリスク。

愚者のエンドロール

2015年02月07日 00時38分15秒 | 読書事
米澤穂信さんです。

「古典部」シリーズの2話目です。

って言っても「氷菓」の評価もあまり芳しくなかったと思う。

1分以上過ぎると過去のことのほとんどを忘れてしまうので、どういう評価をしたかは、

「イメージ」

でしか記憶されない。

確か、ほどほどの面白さがあっても、「氷菓」のネーミング由来があまりに酷いため、萎えた記憶がある。

で、確認しに行く。











確認してみた。

内容は評価している。

でも、表題は駄目出ししていた。

今作は、書評を見ると謎解きやストーリーが、別の作家の過去の作品と重複しているらしい。

特にミステリ通な人からのバッシングが強いので、ミステリ的な捻りも感じさせないのだろう。

我孫子作品やチョコレート事件を読んでいないので、今作をオリジナルとして読んだ今の気持ちとしては、



カタルシスがない


西澤保彦さんほどの展開や推理の畳み掛けもないし、最後の推理もそれじゃなきゃいけない必然もない。

逆に、ミステリを知らない人が描いたという前提を掘り起こして、3人の回答が部分的に正しかったという落ちを付けられた方が腑に落ちる。

なぜなら、ミステリ好きは読者も含めて本来「そういう偏屈もの」であるべきだからである。

普通の人はミステリ好きにはならないものなのさ。

だって、それが「ミステリ」なんだから。

やはり、米澤さんは私の読みたいものとソリが違っているようだ。

でも、もう一冊買っちゃってるんだよな。

ま、いっか。

別に死ぬわけじゃないし。

猫色ケミストリー

2015年02月05日 13時40分01秒 | 読書事
喜多喜久さんです。

著者の2作目になります。

処女作の「ラブ・ケミストリー」が売れたのであやかった題名なのでしょう。

ニャン好き必読! 猫がスマホで謎解きを!? 『ラブ・ケミストリー』でスマッシュヒットを飛ばした著者の第2作目です。計算科学を専攻する大学院生の明斗は、学内に棲みつく野良猫が唯一の友達だ。ある日、落雷で近くにいた明斗と猫、幼馴染みの女子院生スバルが同時に意識を失う。気がつくと明斗の魂はスバルに、スバルの魂は野良猫に入れ替わっていた! 元にもどるため必死に奔走する二人は、猫の餌から研究室で、覚醒剤の違法な合成事件が起きていることに気づく。餌に覚醒剤を混入した犯人の目的は? 果たして二人は、元の体に戻れるのか!? by Amazon

前作の「ラブケミストリー」を「ラブストーリーであってミステリではない」と断言しましたが、今回もラブストーリーなのかな?って思っていたらちゃんとミステリでした。

でも、ミステリ要素よりもラブストーリーの要素のほうが高いが。

好感が持てるのは、化学の用語や作用・実験の取り扱いが非常に素人にも解り易く解説されていることだ。

化学用語を流し読みしながらでも全然困らない。

謎はいくつか仕組まれていて、

人格がもとに戻る方法

不審な人物と実験の不出来

覚せい剤の謎

など。

ただ、覚せい剤に纏わるエンディングはいまいち物足りない。

確かに「現時点」では違法ではないので何ら法的罰則はない。

が、指定されるというからには、何らかの危険性があるからなのに常用しては…。

まさかのプロポーズも如何なものか?





本格ミステリではないので堅いことは言わない。

読んで面白い小説でした。





ところで。

作中でも触れられているが物語のベースが「精神の入れ替わり」である。

西澤保彦の「人格転移の殺人」には触れられていたが「いつか、ふたりは二匹」に触れられていない。

猫と会話とかの構造は酷似している。

同じ西澤作品なら猫要素も含めてこちらだろうと思ったが、2004年が初出と思しき「いつか」は2013年まで文庫化されていないので熱心な西澤ファンじゃなきゃ読んでいなかったのだろう。

化学探偵Mr.キュリー2

2015年02月05日 13時21分33秒 | 読書事
喜多喜久さんです。

シリーズ2作目となります。

前作も合格点だったのですが、今作はパターン化しておりより面白くなっております。

パターン化していること自体が面白さの原資です。

5話からなりますが、化学系のネタを入れていますが、それは重要じゃない。

これはミステリとしての謎の提示とそれをひも解く流れが心地よいか否かです。

それで行けば本書は、面白い。





残念なのは表題。

おそらく何らかの形で「キュリー」を出したかったのか?最後に出すのか?解らないが、単なる呼称だけが今作では浮いてしまっている。


北村薫の本格ミステリ・ライブラリー

2015年02月05日 13時02分08秒 | 読書事
北村薫さんです。

アンソロジーですが、普通じゃないアンソロジーです。

小説だけじゃなく「エラリークイーンのルーブリックと手紙」なる雑誌掲載文や西條八十の詩、同人誌からの転載などなど。

作品の質も上等で、ジャンルもいろいろで、アンソロジーじゃなきゃ決して手を出さない人のも読めて非常に面白かった。

特に「ひでおと素子の続・愛の交換日記」のからの転載は、今でも覚えていて非常に懐かしかった。

まさかこんな形で再開できるとは思いもよりませんでした。

それだけでなく、初読の小説も皆興味深く面白かった。

ありがとう。

怪盗はショールームでお待ちかね

2015年02月05日 12時52分16秒 | 読書事
伊園旬さんです。

内容(「BOOK」データベースより)
青山の高級輸入家具店オーナー、洲崎。彼の裏ビジネスはセレブ所有の絵画、装飾品、秘匿データなどを盗み出すこと。利益の一部は寄付に回すのが信条で、相棒を伴い、綿密な作戦のもとハイテクを駆使し、血を流さず鮮やかに奪い取る。オフィスに戻ると、洲崎の裏の顔を知らない天然系美人秘書・美桜が迎えてくれるのだ。サスペンス&コン・ゲームの注目作。 by Amazon

フェイク・ギャラリー
ジャパニーズ・ガーデン
キャットウォーク
ワークアウト
ビッグ・ストア

の5作の連作短編です。

広義のミステリですが、主人公は危険にも会わず、アクシデントに困ることなく、淡々と優雅に泥棒します。

単に金持ちの道楽風なところが鼻につき、こんなものが読みたかったわけじゃない、って言うのが正直な感想。

私には合わない。

いつか、ふたりは二匹

2015年02月03日 00時48分33秒 | 読書事
西澤保彦さんです。

なんと、ジュブナイルだそうです。

迂闊。

でも、読んでみて「とても良く出来た作品」だと感じました。

設定もきちんと収まっているし、その設定をしっかりサスペンスの中にも織り込んでいるし。

最後の前の犯人との対峙とその結末も良い。

一番最後の「アレ」は「人は誰でもその能力を手に入れられる」ことにしているのか?

それはあんまり気に入らない。

連れ子同士の人間関係の構築って難しそうだから書かれたのかと思った。

トラッシュ! この街が輝く日まで ~  Trash

2015年02月03日 00時10分41秒 | 映像事
「リトル・ダンサー」「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」のスティーブン・ダルドリー監督が、ブラジルのリオデジャネイロを舞台に、ゴミ拾いをして生活している少年たちの起こした行動が、やがて街に希望をもたらしていく様子を描いたドラマ。脚本は「ラブ・アクチュアリー」「アバウト・タイム 愛おしい時間について」のリチャード・カーティス。リオデジャネイロ郊外で毎日ゴミを拾って生活している3人の少年が、ある日、ゴミ山の中で財布を拾う。しかし、その財布には世界を揺るがす重大な秘密が隠されていた。警察もその財布を探すため大捜索を開始し、街には混乱が広がるが、少年たちは自らの信念に基づき、財布に隠された秘密を解明しようと決心する。少年たちは知恵を振り絞って警察の追跡をかいくぐり、隠された真実に近づいていくが……。by映画.com

ブラジルが舞台ですが、イギリスの製作なんですね。

「アバウト・タイム 愛おしい時間について」が良かったので、同作の脚本とのことで期待しました。

面白いけど「寓話的」なので、ロジカルな視点で観ると「それっておかしくない?」って言う部分がたくさんある。

ブラジルの貧困と不正・腐敗を明らかにし、明るい未来を描きたかった主訴は伝わってくる。

心に突き刺さるほどの物ではないが、良い映画なんだと思う。

アップルシードα

2015年02月02日 23時48分39秒 | 映像事
士郎正宗さんです。

私の記憶に間違いがなければ、士郎さんの単行本(「青心社)の初版2刷を買ってからのお付き合いです。

32~33年くらいか?

それはさておき。

前回のアップルシードも観ました。

が、

「アップルシードってあんな話だったっけ?」

な、作りでした。

今作は3Dアニメです。

ブリアレオスの動きが人の様です。

まぁ、モーションキャプチャだからな。

実は、これを見る前に「楽園追放」を観ていたのです。

こちらは3Dアニメと謳っていますが、2次元上に描いた3Dです。

別に3Dって謳わなくとも面白かったSF作品でした。

で、アップルシードですが、









デュナンの造形が駄目!








顔が駄目。

髪が駄目。

胸が駄目。





原作だとデュナンは「少女」のように描かれているが、今作はアメコミの主人公風。

今のレベルでは、髪の毛の動きを自然には見せられないようですね。

あのサイズでちょっと動いたら揺れる筈なのに全然揺れないし。

別に揺れて欲しい訳ではないが。

世界が販売ターゲットなので仕方ないかもしれないが、あの巨大な胸には幻なりします。





また、アイリスも最初は男だと信じ切ってしまうほどの中性感。

最後に「HITOMI」の複製だって出てきたときには尚更だ。

HITOMIは普通の一般的な日本女性をモチーフとして描かれていた筈。




まぁ、いろいろと文句を述べましたが。

ロボットやサイボーグの動きは非常に良い。

ストーリィは平凡。





お金をかけた割には大したことのない小品です。

MXの深夜TVレベル。

因みにお客さんは10人程度でした。