正岡子規が「墨汁一滴」に書いている。「美しき花もその名を知らずして文にも書きがたきはいと口惜(くちお)し」
この世のものには名がある。美しい楽しい、悲しい。心を動かす感情も、一つ一つを言葉で表すことができる。それらを知ることで表現の幅が広がる。知ること、学ぶことは人の営みの屋台骨と言っていい。
「人間は心を洗う手はもたないが心を洗う心はおたがいにもっている筈(はず)だ」。1940(昭和15)年に39歳で没した詩人小熊秀雄はうたう。
神戸新聞「正平調」2015年7月10日付(朝刊)
この世のものには名がある。美しい楽しい、悲しい。心を動かす感情も、一つ一つを言葉で表すことができる。それらを知ることで表現の幅が広がる。知ること、学ぶことは人の営みの屋台骨と言っていい。
「人間は心を洗う手はもたないが心を洗う心はおたがいにもっている筈(はず)だ」。1940(昭和15)年に39歳で没した詩人小熊秀雄はうたう。
神戸新聞「正平調」2015年7月10日付(朝刊)