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読む力、書く力「水鉄砲」

2015年08月18日 | 新聞記事
 自分で調べたことを文章にまとめる。授業の最後にその日の学習を振り返る。教育効果の高い学校と低い学校では、そこに有意の差があったという。
 2013年度の全国学力調査結果を基に、お茶の水女子大・耳塚寛明教授の研究班が続けていた小中学校の成績と学習指導の関係の分析結果である。
 それによると、文章を書かせる指導を「よく行った」のは、教育効果の高かった学校では53・3%、低かった学校では26・7%。授業で「振り返り活動の取り組み」を「よく行った」のは、教育効果の高かった学校では63・3%、低かった学校では26・7%だった。
 江戸時代、庶民の教育を担った寺子屋では、まず読み書きそろばんを教えた。読む、書く、計算する。その能力さえあれば、生きていくのに不自由はない。親も指導者も、そう信じていたからだ。
 だが、社会が複雑になり、さまざまなことを教えなければならなくなると、読み書きに割く時間が少なくなった。結果、書けない子と書ける子の差が広がった。
 大学生になると、差はさらに広がる。僕が週末、母校で担当している「文章表現」の授業では、読み書きの習慣のある学生は素晴らしい文章を紡ぐが、その習慣のない学生の文章は物足りない。
 書くためには考える。考えるためには読む。それらは互いにつながっている。夏の休み。読むこと、書くことに挑戦してほしい。きっと明日の自分を助けてくれるはずだ。

 紀伊民報 2015年7月23日付(朝刊)

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