新聞活用は、NIEという言葉が生まれる前から多くの人が取り組んできました。我が家にも、戦前のものも含めて記事のスクラップが保管されています。これはという記事を切り抜き、ノートにはさんで保管した物も含めれば、我が家だけでなく昭和の当たり前の風景でした。昭和の半ばから後半にかけて生活が豊かになると、日々の生活の中で知識を得ようとする家庭が増えてきて、百科事典ブームが起きました。最初のころは10巻程度のものだったのが、20巻、30巻と増えても買い求める家庭が多かった時代です。NIEの言葉が生まれたのは、百科事典ブームのすぐ後のことです。
「ニーって、何?」NIEに携わって40年近く経ちますが、未だに掛けられる言葉。1985年の新聞大会で、「若年層の文字離れ、読書嫌いの傾向に歯止めをかけ、児童生徒が活字文化に親しむ手段、方法の一つとして提唱。日本新聞協会が本格的に取り組む」という記録が残っています。40年もの間、取り組んできた結果が今。「ニーって、何?」どころか、新聞紙面からも「NIE」の言葉を見つけるのが年々難しくなってきました。私の実践も終末を迎え、今までを振り返り、今後に何かを残せたらとこれから数回書いてみます。
北陸中日新聞 2024年1月4日付(朝刊)
上の記事は、能登半島地震が起きてから4日目の北陸中日新聞の朝刊です。新聞よりもネットと思われている方は多いと思いますが、停電が続き、ネット環境が失われた中、こうした情報は何よりも貴重ですね。