フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

モーツァルト ピアノ協奏曲23番 第二楽章 ホロウィッツ

2010年07月03日 02時00分02秒 | 日々の出来事・雑記

 ピアノを弾くということは、言葉を話すことと同じように、意思と動作の間の時間差をほとんどない状態にすることである。
 だから、小さい頃から反射神経を鍛え、思った音をすぐ出せるように訓練する。ただ、日本語を話せるからといって簡単に人を感動させる演説ができないように、ピアノが弾けたからといって必ずしも人を感動させる演奏ができるわけではない。
 人を感動させるためには感動させるだけの精神性が備わっていなければならない。
 
 吉本隆明氏は老年者のことを「超人間」だと言った。老年者は身体的にはよぼよぼであっても、想像力、空想力、妄想、思い入れなどは若いときより活発になるという。
 ホロウィッツ氏の演奏は、ソフトなタッチからゆっくりと悲しみを漂わせ、静かに人々を引き込んでいく。彼が円熟した超人間であることは否定できない。彼の精神性がモーツァルトの曲の中に現れている。

 

  

 

 

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