状況の連続性が、先入観や固定観念を生む。
例えば、毎日通勤に通る道は、いつも同じと思っているかもしれないが、本当は毎日少しづつ違う。
しかし、私たちはそれが同じと思ってしまう。その結果、風景に注意を払うことがなくなる。
そのような連続性を基礎づける記憶が、同じ道だという固定観念をつくり上げるのである。
人間の脳は、知っていることをよく見ず、それを同じに扱う特性がある。
「シャンデリア」を10回連続で言ってもらった後に、「毒林檎を食べた女の子」はと質問すると、おおよその人が、「シンデレラ」と答えてしまう。もちろん、答えは「白雪姫」である。
頭を柔軟にするためには、たまに時間的連続性を絶ち切って、いつも見ている風景、いつも会っている人、いつも生活している部屋などを、初めて接するようにしてみることだ。
そうすると、今まで知らなかったようなことが見えてくるようになる。