フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

そして夜は甦る 原尞

2021年04月08日 07時00分00秒 | 読書・書籍

「そして夜は甦る」を読了

原尞さんのデビュー作で、私立探偵・沢崎シリーズの第一作でもあります。

面白い小説ではありますが、

もし、この小説を最初に読んでいたら、

原尞さんの沢崎シリーズをそんなに好きにならなかったかもしれない。

ちょっと厳しい言い方かもしれませんが。

というのも、話が込み入って複雑で、途中飽きてしまいます。

でも頑張って読み進めていくうちに、

ハイハイ、やっぱり面白いね、となりますが。

あんまり単純な話だと、タネがすぐにばれて面白くないし、

逆に、複雑すぎると話についていくのが面倒になりますね。

この辺のバランスが、なかなか難しい。

原尞さんのような作家でも、デビュー作なので、初々しい感じがします。

だけど、僕が沢崎シリーズの好きなところは、単なるミステリーではなく、

最後のほうで、スッと心が動かされる場面がある。

人間の弱さというか、愛情の深さから生じる感情というか、

そういう心が揺さぶられるところがあります。

謎を解いていくことで、

心の奥に隠していた知られたくない真実が、明らかになるからです。

そして、その弱さに僕たちは共感するんでしょうね。

結局、沢崎シリーズが長く人に愛されるのは、そういうところだと思います。

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