脳の神経科学の本を読んでいたら、創造性について面白い記述がありました。
人工知能と違って、人間の脳の強みは、曖昧性や不確実性にあるそうです。
「揺らぐ情報処理」
例えば、ヒット商品を考えているときに、その商品の事ばかり考えているのではなく、
映画を見たり、読書したりしているときに、急にアイデアが浮かんでくるようなことです。
そこで感動したり、突拍子もない出来事に触れたことで、
その感情や情報がアイデアに影響を与えます。
また、クリエイティブな発想を行うには、物事に強く浸り続けることが大事だそうです。
創造し続けるには、自分が新しいものを生み出せると信じることが必要です。
せっかくアイデアを出しても、「お前のアイデアはダメだ」と言われ続けると、
創造するモチベーションが上がらず、深く浸り続けることが困難になってしまいます。
だから、本当にクリエイティブな人は、他人の評価を受け流す能力を併せ持っているそうです。
ただ、他人の評価をまったく気にしないで、他人に評価されるものを作れるのか?
という疑問が、当然生まれます。
ここからは僕の見解です。
例えば、「美」です。
誰に教わったわけではありませんが、僕は美しいと感じる心を持っています。
そして、僕が美しいと思ったものは、僕の主観です。
しかし、「これ綺麗だよね」と聞くと「そうね」と答えてくれる場合が多い。
だから、僕が感じたことを、他人が同じように感じてくれる可能性がある。
どっかの哲学者が命がけの飛躍と言ったものです。
自分の感性を信じること。
自分の心に惹かれるものだけを追求していく。
世界のどこかに、僕の感性に共鳴してくれる人が必ずいるはずです。
そのことを信じる。
そういう気持ちを持つと、すぐ目の前の人が言う「お前のはダメだ」というダメ出しを、
受け流すことができます。
僕は、知らない土地のどこかにいるあなたに、メッセージを送っているからです。