深夜の羽田はいつもの感じ。 東京は暖かくいい天気でさすがの5月の日本です。
24日の野音からはじまるCREATION Spring Tourのため東京入りしました。 これからリハーサルや取材などなどが始まります。 野音は大好きな会場です。 前回プレイしたのは2008年にBlues Creationのリユニオンコンサートのときだからもうすでにかなり前になります。 自分の中ではちょっと前のことのような気持ちがするけど、なんか年々時のすぎるのが早くなって行くように感じます。
思い出すにその時感じた野音はなんか昔よくプレイしていた野音とは感じが変わっていました。 なんというか小奇麗になって大きさもずいぶん小さくなったように感じました。
70年代のはじめにはよくフリーコンサートだLive Inだ、なんだらかんだら、ちょうちんだと(笑)それこそ毎週のようにプレイしていた場所ですが、その時のイメージと違うんですね。 当時の記憶では一番お客さんが入った時は8,000人だか10,000人だかはいったという話もあったんだけど、どう見ても今の野音は2,000人くらいのサイズに見えます。 4分の1二なったということでしょうか? そんなバカな、、
それはともかく盛り上がって楽しいライブにしたいと思っています。 今回のギターはPRSのSC-245というちょうどそのブルクリのリユニオンで弾いていたギターで、それはそれはいい音のする個体です。
弾きやすく太い音で表情豊かに輪郭もある、、こう書いてみるということないですね。 サステイーンのあるギターが良いギターとよくいわれます。確かに音は伸びやかに鳴り続けるほうが良いに決まってます。 ただ、よくアマチュアの人が誤解するのはサステイーンだけあれば良い、あるいはサステイーンの無いギターは良くない、それには良い木が、、うんぬん、、という方向に行くわけですが、もちろんそれはそうでしょう。 特にソリッドギターの場合はそれが良いギターの条件になると思います。ところがセミアコ、あるいはフルアコ、特にフルアコといわれるハローボデイのギターの場合はかなり様相が違うと前々から感じていました。
誤解を恐れずに書くと ハローボデイの場合は極端にいうとサステイーンはあまりない方が良いという時も有るわけです。 レゾナンス、共鳴とか響きと解釈しますが これと伸びを意味するサステイーンの微妙な違いが理解されていないで木云々という場面に多々出会います。
フルアコの場合(ある程度はセミアコもそうですが)表面の板が振動する、その音がボデイ内部の空間で響き震え必要な倍音成分などが膨らみ原音にプラスされる、その音を今度は裏の板が素早く突き上げるような感じで表面に返される、この音の一部がFホールから発射される。残りの部分は表の板に再度ぶち当たりまた振動仕返す。 この一連のプロセスのスピードがフルアコの場合非常に大切だと思うわけです。
そうなるとフルアコ(セミアコ)をメインに使うプレイヤーにとっては余計なサステイーンなどは邪魔でしかない、その突き上げにも似た弾き返しを不鮮明にしてじょろじょろとだらしなく輪郭のない立ち上がりの非常に遅い、弾きにくいギターとなってしまうわけです。 結果早いフレーズが非常に弾きにくくなったり、オープンヴォイシングを使う透明感と立体感の豊かなハーモニーが濁ってきたりもするわけです。
したがってフルアコの命は裏板の跳ね返しのスピード、これに尽きるんじゃないかと、、そう思うわけです。 もちろん共鳴してえる倍音とか膨らみ方とかも非常に重要なわけで、そういう意味ではトップ板の材質や設計も大いに関係が有るんでしょうが、ただ何の木をつかってアーチドトップのアーチが派手だから良いわけではなく、ましてやサステイーンをその木は得られるから良い、なんていう単純な話じゃないように思うわけです。有名はes-175はラミネイトつまり貼りあわせ合板、もっと言うとPlywood,もっというとVeneer ヴェニーア、、なんだっって ベニア板か? これをいっちゃお終いだ、、いやそんなことはない、しかし日本人の価値感ではベニア板のギターでは、、ううううみゅとなると思うわけですが、例えば軟鉄鍛造、軟鉄鋳造、ステンレスのロストワックス、これゴルフのアイアンクラブの話なんですが、アイアンは軟鉄鍛造に限る、これはもう昔の刀鍛冶の世界になるわけですね。
話がそれましたね。 10数年フルアコだけを弾いていた時期があり、現在もメインのエースギターはPRSのJA-15というフルアコースティックのハローボデイのギターをつかっているのでこんな話を取り留めもなくしてみました。 しかし、断っておきますが、これは僕が実際に弾いいてそう思ったというだけの話で、何の科学的根拠もなければ全く違うという意見も多いのではないかとも思います。 だからそう思う人はそう思えば良いわけです。
といっちゃ身も蓋もない話になってしまうのですが、ここらあたりは中部銀次郎さんの影響大ということで笑っていただくとして、まあ、そういうことではないかと。 もしこういった話に興味のお有りな方は10数年とはいいませんがある程度の期間、フルアコだけを弾き続けていただくと僕の言っている意味がお分かりになってくるのではとも思うわけです。
あまりにも強い跳ね返りにをどうコントロールするかという問題に出会った時におさえつけるのではなくいかに下の板から突き上げてくる暴れ馬のような音をコントロールできるのかという命題に取り組むわけです。そうするとピッキングのスタイルに数種類ある理由がおぼろげながらわかってくるのではないかと思ったりするわけです。 必要は発明の母の言葉のように この強い下からの圧力をコントロールするかのためにこういうピックの持ち方があったのか、こういう弾き方、アングルがあり、この硬さ、この弦の太さがあったのか、、そんな事なんです。 是非一度お試しを。
というわけでして、24日の野音、お待ちしていますよ♫
それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。