アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

Yさんの畑

2010-07-11 17:05:16 | 林と畑と庭づくり
  前から見たいと思っていたYさんの畑を見学しました。

  Yさんは稲武のとなり町に1年半前移住し、恵那自然農塾に通って自然農を勉強する一方、自宅近くの畑を借りて実践している方です。

  「不耕起、無肥料、無農薬」の栽培が、自然農の考え方の柱です。恵那自然農塾ホームページのトップにはこう書かれています。

  「耕さない。草や虫を敵としない。自然の生命の営みにそった、農の実践と学びの場」

   私はこの春から、耕さないで、草もあまり取らないで、虫もなるべく殺さないで、ほんの少しの野菜を作り始めました。でもほったらかしにすることが多く、畑はすぐに草に覆われ、野菜は、ともすれば虫に食われて惨憺たる有様になってしまいます。

   そんなわけで、自然農で実際にちゃんと収穫ができている人の畑がどんなふうなのか、とても興味がありました。

   Yさんが学んでいる自然農のやり方では、苗の周りの草は刈って、その草を苗を囲むようにして置きます。それが肥料にもなり草除けにもなるのです。

   そして、何も植わっていないところは草を生やしたままにしておきます。草を育てることによって土地を肥やすと同時に、虫の食料調達場所を広げてやることにもなります。

   でも、Yさんの畑は思いのほか、草がよく刈ってあります。蛇やマムシの出没がいやなので、この季節は少し広めに刈るのだそうです。 
 
  畝の間は歩き回るので、草はあまり育ちません。だから刈らなくても大丈夫。

  Yさんの二つの畑には、何十種類もの野菜が植えられています。のびのび元気に育っているのもあれば、虫に食われて絶滅寸前ものもあります。でも、草の中で育っている野菜は、草と競争しているせいかどことなくたくましく感じられます。

  去年、カボチャを普通に地植えにしたら、蛆虫のような細かい白い虫が、カボチャのなかにいっぱいいたそうです。それで今年は立体栽培にすることにしました。手前と向こう側からつるが伸びています。

  写真手前はゴボウ。種を採るため徒長させました。この種を来年蒔くのだそうです。葉っぱが大きくて風変わりな花が咲いています。ドライフラワーにしたら、ルリタマアザミの代わりに使えるかもしれません。

  帰りに、採れたてのズッキーニとジャガイモをいただきました。どちらもみずみずしくて、いい味でした。

  「人間は自然保護だとかなんだとか言って、虫や草のためになるいいことをしているとおもっていますが、話は逆です。虫や草が生活している中に、私たち人間が、食べるための野菜を作らせてもらいにあとから割り込んだのです。だから、虫や草の都合に合わせるのが当たり前なのです」

  これは、知人に聞いたあるナチュラリストの言葉です。たしかに新参者が急に勝手なことをしだしたら、安らかに暮らしていた自然界の住人はおおきな迷惑をこうむるだろうな、とおもいます。彼らとうまくやっていく道は、そう簡単には見つからないかもしれませんが、見つけるのも楽しみの一つにして、あれこれ試みてみたいと思います、
  
コメント (2)
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