北海道で「日本一の給食」といわれる給食を作り続けた調理師さんがいると知ったのは、数年前。本屋でこの本を立ち読みして知りました。
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昨年だったか、知人が、北海道からこの調理師さん、佐々木十美さんをお呼びして、彼女がずっと給食で作ってきた評判のカレールウを作り、彼女のお話を聞く会を開きました。何回か開いたようですが、いつも行けずじまいで、残念に思っていたところ、この知人から、自宅でルウの作り方を教えるといってもらえたので、稲武の友人たちとおしかけました。
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ルウの材料はシンプル。ニンニク、しょうが、小麦粉、油(すでに何度か使った植物油)、カレースパイス。最初にやるのは、ニンニクと生姜をそれぞれ、細かく細かく刻むこと。生姜はペースト状になるまで、ニンニクは形がなくなるまで。これまでの人生でこんなに細かくみじん切りをしたことはありません。ひたすら細かく刻みました。一人っきりじゃ疲れてしまって、絶対やれない。
フードプロセッサーを使わない理由は、繊維をつぶしてしまうと水が出やすくなり、栄養価が変わるからだそう。佐々木さんたちは、6人の調理師さんで500人分のカレールウを作っていたというから、脱帽です。
刻みおわったニンニクと生姜を、鍋に入れた油に混ぜ、弱火でなじむまで炒めます。それからふるいにかけた小麦粉を入れていため、さらにそこにカレースパイスを投入。佐々木さんが勤務していた北海道の学校で使っているカレースパイスは、カレー粉とは別にスパイスが19種類も入っています。
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焦げ付かないよう、ひたすらかき混ぜ続けて、やっとできあがり。これで、40食分のカレーのルウになります。三人がかりでほぼ2時間。人と一緒だから楽しくできた仕事です。このルウ、これから3週間寝かせると味がぐんとよくなるそう。そのあとは、冷凍もできます。
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お昼ご飯は、知人が前に仕込んだルウで、給食に出るカレーを再現。これが、凝っていて驚きでした。肉は赤ワインと塩コショウに漬けてから煮るのですが、あくが出てきたら、まず味見。悪い味だと思ったらあくを捨て、とりたてて嫌な味でなかったら、よく炒めた野菜と一緒に鶏がらスープに入れます。こういうのが、「丁寧な仕事」というのだなとおもいました。かつら剥きや面取りをすることじゃない。
さらにまた、トマトピューレや4種類のスパイスもいれ、ほぼ煮えたら、ルウを投入。最後にウスターソースや醤油もいれてさらに複雑な味に変身。
ほんとはもっといろいろ工程を経たのですが、はしょって紹介しています。そして、できました。
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お肉の種類、野菜の切り方は自由なのですが、スパイスや調味料は子供たちが食べている給食そのままです。
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一口、口に入れるとスパイスの味がわっとひろがり、おいしいというより複雑!とかんじました。でも二口め以降は、おいしい。子供の食べるカレーにしては結構辛い。でも、辛さが多分調和しているのか、あまり気になりません。濃厚すぎず甘すぎず、しみじみおいしくかんじました。同行した友人の子供たちも完食しました。
このカレーは、佐々木さんのいた町の学校ではひと月一回は食べられるのだとか。コロッケやドライカレーその他たくさんの料理が、彼女たちの調理室から生まれたそうです。先日見た、マイケルムーアの映画「世界侵略の勧め」のなかの、フランスの学校給食なみにゆたか。
日本のほとんどの学校は、効率化のためにセンター方式にかわりつつあり、自校方式で作る給食はどんどんなくなる傾向にあるようですが、小回りが利き、調理さんたちのこころざしが生かせる自校方式の給食がなくなりつつあるのは寂しいことです。
でも、各学校で作るのが当たり前だった昔の給食がおいしかったかといえば、とんでもない。小中学校時代の給食は、わたしにはほぼ毎日が苦痛でした。物のない時代だったので、とりあえずおなかを満たすものであればよし、ということだったのでしょう。
いまは、新鮮な素材であっても捨てられる時代。佐々木さんたちは、当日農家から届いた野菜を見て、その日のメニューを決めることもあるそう。家庭料理と同じです。調理師さんは大変ですが、うまく循環させれば、安くて質のいい素材が大量に手に入り、子供たちは美味しい給食にありつけるはず。システムがうまくいっていないせいで、昔ほどではなくても、たいしておいしくない給食を食べざるを得ないのは、もったいない話だとおもいます。
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昨年だったか、知人が、北海道からこの調理師さん、佐々木十美さんをお呼びして、彼女がずっと給食で作ってきた評判のカレールウを作り、彼女のお話を聞く会を開きました。何回か開いたようですが、いつも行けずじまいで、残念に思っていたところ、この知人から、自宅でルウの作り方を教えるといってもらえたので、稲武の友人たちとおしかけました。
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ルウの材料はシンプル。ニンニク、しょうが、小麦粉、油(すでに何度か使った植物油)、カレースパイス。最初にやるのは、ニンニクと生姜をそれぞれ、細かく細かく刻むこと。生姜はペースト状になるまで、ニンニクは形がなくなるまで。これまでの人生でこんなに細かくみじん切りをしたことはありません。ひたすら細かく刻みました。一人っきりじゃ疲れてしまって、絶対やれない。
フードプロセッサーを使わない理由は、繊維をつぶしてしまうと水が出やすくなり、栄養価が変わるからだそう。佐々木さんたちは、6人の調理師さんで500人分のカレールウを作っていたというから、脱帽です。
刻みおわったニンニクと生姜を、鍋に入れた油に混ぜ、弱火でなじむまで炒めます。それからふるいにかけた小麦粉を入れていため、さらにそこにカレースパイスを投入。佐々木さんが勤務していた北海道の学校で使っているカレースパイスは、カレー粉とは別にスパイスが19種類も入っています。
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焦げ付かないよう、ひたすらかき混ぜ続けて、やっとできあがり。これで、40食分のカレーのルウになります。三人がかりでほぼ2時間。人と一緒だから楽しくできた仕事です。このルウ、これから3週間寝かせると味がぐんとよくなるそう。そのあとは、冷凍もできます。
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お昼ご飯は、知人が前に仕込んだルウで、給食に出るカレーを再現。これが、凝っていて驚きでした。肉は赤ワインと塩コショウに漬けてから煮るのですが、あくが出てきたら、まず味見。悪い味だと思ったらあくを捨て、とりたてて嫌な味でなかったら、よく炒めた野菜と一緒に鶏がらスープに入れます。こういうのが、「丁寧な仕事」というのだなとおもいました。かつら剥きや面取りをすることじゃない。
さらにまた、トマトピューレや4種類のスパイスもいれ、ほぼ煮えたら、ルウを投入。最後にウスターソースや醤油もいれてさらに複雑な味に変身。
ほんとはもっといろいろ工程を経たのですが、はしょって紹介しています。そして、できました。
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お肉の種類、野菜の切り方は自由なのですが、スパイスや調味料は子供たちが食べている給食そのままです。
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一口、口に入れるとスパイスの味がわっとひろがり、おいしいというより複雑!とかんじました。でも二口め以降は、おいしい。子供の食べるカレーにしては結構辛い。でも、辛さが多分調和しているのか、あまり気になりません。濃厚すぎず甘すぎず、しみじみおいしくかんじました。同行した友人の子供たちも完食しました。
このカレーは、佐々木さんのいた町の学校ではひと月一回は食べられるのだとか。コロッケやドライカレーその他たくさんの料理が、彼女たちの調理室から生まれたそうです。先日見た、マイケルムーアの映画「世界侵略の勧め」のなかの、フランスの学校給食なみにゆたか。
日本のほとんどの学校は、効率化のためにセンター方式にかわりつつあり、自校方式で作る給食はどんどんなくなる傾向にあるようですが、小回りが利き、調理さんたちのこころざしが生かせる自校方式の給食がなくなりつつあるのは寂しいことです。
でも、各学校で作るのが当たり前だった昔の給食がおいしかったかといえば、とんでもない。小中学校時代の給食は、わたしにはほぼ毎日が苦痛でした。物のない時代だったので、とりあえずおなかを満たすものであればよし、ということだったのでしょう。
いまは、新鮮な素材であっても捨てられる時代。佐々木さんたちは、当日農家から届いた野菜を見て、その日のメニューを決めることもあるそう。家庭料理と同じです。調理師さんは大変ですが、うまく循環させれば、安くて質のいい素材が大量に手に入り、子供たちは美味しい給食にありつけるはず。システムがうまくいっていないせいで、昔ほどではなくても、たいしておいしくない給食を食べざるを得ないのは、もったいない話だとおもいます。