アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

「ヴェルサイユの宮廷庭師」

2017-06-27 22:45:57 | 映画とドラマと本と絵画
     イギリス映画。でも舞台は17世紀のフランス。太陽王・ルイ14世が築いたヴェルサイユ宮殿の庭の・舞踏の間の建築を任された女性造園師・サビーヌが主人公です。

     宮殿全体の造園を指揮するル・ノートルは、サビーヌの「無秩序」を愛する感性を拒否。いったんは面接で落とすのですが、王の目指す庭園に必要な才能を垣間見、結局採用します。彼女の庭は、夜の灯にほのかに見えるだけですが、植物が生き生きしていて、魅力的でした。

     率直で誠実な態度を王に気に入られた女庭師の主人公は、誹謗、中傷、あてこすり、遠回りの皮肉・・・悪意に満ちた宮廷内の人間たちのなかで、異彩を放ちます。やがて、上司のノートルとサビーヌはお互いに惹かれ始めます。

     映像はずっときれい。会話は皮肉が効きすぎて、時々意味不明のことも。ヨーロッパの貴族たちのおとなの会話なのでしょう。完成した舞踏の間は最後に登場。全体の庭園の中では、いささか趣の異なった庭になっています。まずまず、満足のできるいい映画でしたが、最後の終わり方は、つまらなかった。残念。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「奇跡のシンフォニー」

2017-06-27 17:57:53 | 映画とドラマと本と絵画
  昨夜のNHKBSプレミアムで9時から放映された、「奇跡のシンフォニー」。冒頭から、映像と音に魅了され、2時間、息もつかせず見いりました。

   原題は、「オーガスト・ラッシュ」。主人公の少年は、生後すぐに養護施設に預けられ、そこで成長。両親には一度もあっていないのですが、いつか会えると信じつづけています。そして彼の友だちは、音。草むらを渡る風の音、壁につるされた金属の風鈴の音、靴音までが音楽に聞こえます。

   彼の母はチェロ奏者。父はロックミュージシャン。であってすぐに恋に落ちますが、一夜限りで別れを強いられます。その時できた子供が彼。親を探しに施設を飛び出し、ニューヨークへ。そこで出会った、謎の男。この男と、男のもとに集められた浮浪児たちの集団は、「オリバーツイスト」をおもわせます。

   主人公の少年は、この男の下で楽器を手にした途端、一気に才能が開花。すばらしい音楽を奏でます。彼の才能を見抜いた謎の男は、少年が両親のもとに連れ去られるのを恐れ、本名を名乗らせずに「オーガスト・ラッシュ」と名付けます。

   この少年が両親と出会うまでに、奇跡としかいいようのない、さまざまな出来事が起こります。小さなエピソードに緊密なつながりがあり、セリフもシンプルながら切れが良い。なにより音楽の入れ方から、選曲、映像、すべてが美しかった。久しぶりに、ただただ身を任せて浸れる映画を見ました。ああ、おもしろかった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする