トライアングルの部屋

シニア街道をゆっくり散歩中
本読んで
映画観て
時々おでかけの記録も
仙台在住で大の阪神ファン

新章 神様のカルテ 夏川草介

2019-08-03 05:36:29 | 本 2019年
新章 第4部

夏目漱石を愛してやまない内科医
栗原一止の
今回の勤務先は
信濃大学病院

忙しさは相変わらず
家庭の方は
小春ちゃんという女の子が
加わった

そして
患者は29歳という若さで
膵臓がんを患っている女性

自宅で最期を迎えたいという患者と
看護体制には限界があると
渋る病院側

その間に入って
左遷覚悟で行動する栗原たち

自然あふれる信州を舞台に
朴訥な人物像の一止
多種の日本酒
一止の住む古びた住まい

そんな物が素敵にマッチしている

表紙のカスヤナガトさんの画も
とっても素敵で
これを見ると
イメージが広がる
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となり町戦争 三崎亜記

2019-07-23 06:32:32 | 本 2019年
三崎亜記さんの作品は
30センチの冒険・バスジャックに続き三作目

相変わらずの奇想天外な世界

今度は
町同士戦争させたか!!

主人公の青年 北原
普通の会社員だったのだが

ある日公報で
「となり町との戦争のお知らせ」を知り

町役場から
「偵察業務の任命書」が届いたことにより
戦争に参加することになってしまう

町役場勤務の女性香西さんと
偽装夫婦を演じたり

スパイ映画並みに
逃げ回ったりはするけれども

戦闘を具体的に感じることもなく
進んでいく

戦争にはつきものの犠牲者

しかし
血生臭い感じもしない

偽装夫婦であるのに
香西さんの方から
肉体関係を迫り
それも戦争の業務分担表に
しっかり書かれているというから
どれだけ奇妙な世界なんだ

これは2007年に映画化されていて
北原は江口洋介
香西は原田知世
が演じている

それは読み終わって知ったのだけど
私の中では
ずっと北原は田中圭さんの
イメージだったなあ
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ひかりの魔女 にゅうめんの巻 山本甲士

2019-07-16 17:10:02 | 本 2019年
ひかりの魔女こと
真崎ひかりおばあちゃんが
帰ってきた

とってもうれしい

今度は大御所と言う感じで
登場機会は多くない

けれども
ひかりばあさんに頼まれたから
と言う感じで
周りの人が進めていく感じ

客との会話が苦手で
やめてしまおうかと思っていた
喫茶店経営の女性

会社を追われてからも
エリート感むき出しで
生きている元社長の男性

倒産寸前の町工場では
ひかりばあさんが
犬の散歩中
軒先で雨宿りさせてもらった
という縁だけで
知り合いになり
町工場の運命を変えてしまう

最後の話
ラーメン店経営に失敗し
職も見つからず
借金に追われているため
離婚して妻子を実家に帰し
車上暮らしをしている男性

知り合ったのは
ひかりばあさんの嫁が
怪我をしたときに
治療してあげたのが縁

本当に
ひかりばあさんみたいな人が
世の中にたくさんいたら
みんなが平和で
幸せに暮らしていけるのになあ
と思ってしまう

東京までの新幹線の中
眠くてたまらなかったのに
読みだしたら
やめられなくなりました

第三弾を楽しみに!!
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ライフ 小野寺史宜

2019-07-14 15:21:09 | 本 2019年
コンビニで
バイトをしている井川幹太27歳

特にやりたいこともなく
なんとなく生きている幹太くん

彼の人生や
同じアパートの住人などの人生

特に大事件が起きるわけでもない

題名のライフはそういうことか

物語の構成
どうして結婚式の代理出席のバイトを幹太にさせたのか

そこで高校時代の同級生と再会させ
今までの幹太の人生を振り替えさせるため?

代理出席を依頼した新郎新婦の事情を
想像させるため?

友人の澄穂が
仕事やめちゃおうかなと言い

やめないほうがいいんじゃないかな
どうしてもやりたいことがあるなら別だけど

と、やりたいことがないのに
2回転職している幹太が言う

自分が飛び降り自殺するときに
同じことをする人が隣に来たら
やめなさいと言う
そんなふうに刷りこまれていると

隣の住人が亡くなって
遺品整理に来た家族にお礼を言われ

僕なんか何者でもないのでと言うと
生きてさえいれば
人は何者でもありますと

上の階の住人の物音に悩まされていた幹太
ひょんなことから親しくなると
音は気にならなくなる

そしてその住人が引っ越していく時は
そのことを教えてあげる

親しくなったら言えそうなもんなのに
そこは言わない幹太くん

次の所が怖い人だと大変だから気を付けた方がいいと

心優しい幹太くん

やりたいことが見つかりそう
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優しい音楽 瀬尾まいこ

2019-07-06 14:15:32 | 本 2019年
瀬尾まいこさんの作品は
これが6冊目

「卵の緒」やら
本屋大賞の「そして、バトンは渡された」など

相変わらず癒される

短編が三作

「優しい音楽」

23歳の会社員
永居タケルは
駅の構内で
突然
女子大生 鈴木千波に
声をかけられた
逆ナン?

それから二人は付き合うことになるが
どうして声をかけてきたかは
彼女の家に行ってわかる
タケルを歓迎してくれる両親・・・

「タイムラグ」

深雪は不倫相手の平太から
妻と二人だけで旅行に行きたいから
その間小学校3年生の娘の佐菜を
預かってほしいと頼まれる

仕方なく預かったものの
佐菜は
平太の父
つまり祖父に会いに行きたいと言い出す
結婚に反対し
未だに会ったことがないと言う

「がらくた効果」
同棲中の章太郎とはな子

はな子が拾ってきたと言って
中年の佐々木平八郎を
家に連れてくる

佐々木は大学教授だったのを
リストラされた上
妻とも離婚
家も財産も取られてしまい
公園でホームレス生活をしていた

最初は渋っていた章太郎だが
次第に生活が変化していく

三作とも読み終わると
ほんわかした気持ちになり
さすが瀬尾さんです!!
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残りものには、過去がある 中江有里

2019-06-11 08:58:03 | 本 2019年
あの女優の中江有里さんの作品だ

すごく読みやすい

6話の短編のようで
すべてつながっている

祝辞
新婦のレンタル友人として
結婚式に出ることになった栄子

ただ着飾って席についているだけではなく
今回は祝辞も言わなければならない

過去の人
その結婚式に出席していた
新郎側の友人池田

式場で出会った
女性と子供と
ほんのひとときの出会い

約束

新婦早紀の従姉 貴子

ここで話されるのは
貴子と早紀の生い立ち

祈り

新郎 友之の元カノ美月が
友之との出会いから別れまでを語る

愛でなくても

新婦 早紀のこれまでのことと
友之との出会い

愛のかたち

友之の生い立ちと家族関係

二人は幸せになれるような気がするなあ

頑張って誠実に生きていれば
幸せはやってくるのだと
応援したくなる二人

他の登場人物の今後も
気になる
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銀河食堂の夜 さだまさし

2019-05-20 07:10:19 | 本 2019年
東京葛飾にある
「銀河食堂」という居酒屋が舞台の
小話が6話

江戸っ子風な小気味のいい文章

落語のような落ち

面白い言い回しや
ダジャレの数々

涙なしでは読めない話もありで
ずっと読んでいたい感じ

映画スターの初恋の話

交通事故の加害者と被害者の話

運に見放された男の話

あるカップルに起きた事件

思い出の曲を2000枚のレコードの中から
探す話

最後は何人かの音楽家の人生

ドラマにならないかなあ

銀河食堂のマスターは・・・

江口洋介さんあたり?

年齢が六十でこぼこと書いてあったから
もう少し上の人か?

水谷豊さん
三浦友和さんなんかも
いいかも
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ののはな通信 三浦しをん

2019-05-11 09:39:09 | 本 2019年
ののこと野々原茜と
はな 牧田はな
同じ女子高に通う二人の交換日記

それでののはな通信
なんだつまらなそうと
読むのをやめようかと思ったけれど
ネットの感想が高評価なので
続けて読んでみた

よかった
面白かった
どうしてかわからないけど
力をもらった感じ

最初女の子同士の
交換日記が延々続くのかと
ちょっとうんざり

途中レズの官能小説みたいな雰囲気で
がっかり

それでも読み続けて

途中で手紙はメールに変わる

血縁も性別も超えた
強い愛

離れていても
これだけの強い愛?

離れていたからこそ?


ここから
ネタバレになるかもしれない感想

ののは成績優秀で
東大卒

はなの次に愛した女性にも死なれ
今は猫と暮らしている

どうして著者はののの旅行先を宮城の松島に
したのか

東日本大震災を計算してのことだったんだ

その後
愛猫は行方不明

はなとも連絡取れなくなり
一人になってしまったのの

はなの方は外交官の娘として育ち
お嬢様で
結婚相手も外交官

その妻として優雅な反面
大変な土地での苦労

いろんな経験をしていくうちに
内戦のある大変な土地で
帰国する夫とは離婚し
一人で恵まれない人のために
生きていこうとする

すごいたくましさ
(ここに出てくるゾンダという国は
架空の国らしい)

その二人以外に
ののの同棲相手の悦子さんの
死に方も
なぜか共感してしまった

LGBTであるために
家族からも縁を切られていたが
父親の遺産で生活

末期の時はののにも知らせず
ひっそりと一人で病院で亡くなった

遺言を書き
身辺整理もして
ののには旅行に行くと・・・

いいなあこういう最期

もう一人
はなの妹みどりの生き方

こちらも成績優秀
前途有望だったのに

あっさり仕事を辞め
結婚し専業主婦になってしまった

こちらはよくあるパターン

男性に依存しない生き方と
対比させての登場か
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和宮様御留 有吉佐和子

2019-04-19 05:00:25 | 本 2019年
分厚い本
聞きなれない公家言葉

読むのに
かなり難儀した

幕末の公武合体のため
降嫁することになった
孝明天皇の異母妹和宮

それが替え玉であるとする話


和宮の伯父の橋本実麗の下女だったフキが
何も知らされず替え玉として
江戸へ下る

フキの周りを取り囲む
和宮の生母 観行院
和宮の乳母
御附女官
命婦

彼女らの心情

告げ口あり
悪口あり
ヒステリーありと
女の嫌な部分が満載


ここからネタバレ

フキがあまりの過酷な環境に
気が変になるまでは

これでもかと
事細かく書かれているのに

フキでは務まらないと
新たな替え玉に代わった途端

話が急に進んでいき

新たな替え玉宇多絵については
ほとんど書かれず

フキは孤児であるが
宇多絵は両親もいて
その家族の心情も
書いてほしかった

フキが亡くなったことについて
観行院たちの心情についても
何も説明がなく

江戸に着いてからは
ほとんど触れず

有吉さん
書くことに途中で疲れたのかなあ
という物足りない感想

あとがきで

替え玉にされたフキは

太平洋戦争で
赤紙一枚で招集され

どこへ行くのかも
なんのためにかも

知らされぬまま軍隊に叩き込まれた
若者たちと同じであると

最も無力である人々に対する
鎮魂歌として書いた
とあった
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父と私の桜尾通り商店街 今村夏子

2019-04-02 14:09:42 | 本 2019年
題名を見て
さびれた商店街を
活性化する物語だと
勝手に決めつけて

読み始めたら
商店街の話は1話だけ
他は関係のない短編が
5話だった


最初の話「白いセーター」
だけ感想

フィアンセの姉から
子供4人の子守を頼まれ

子供にも悪いところはあったのに
はっきり言えばいいのにと

今の歳では言えるけど
若い時ではなあと

子供慣れしてないんだから
最初から無理かも

断ることもできない義理の仲

というような
終わりがスッキリしない話ばかり

最後の
「父と私の~」が明るい感じで終わったのが救い

お父さん
早く病院に連れて行った方がいいんじゃない?
もしかして?
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