トライアングルの部屋

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時々おでかけの記録も
仙台在住で大の阪神ファン

むこうだんばら亭 乙川優三郎

2010-11-01 08:35:08 | 本 2010年
銚子にある貧しい漁村
飯沼村にある飲み屋「いなさ屋」を舞台に8話
いなさ屋では陰で口入もやっていた

「行き暮れて」
女郎として生きてきた老女が
いなさ屋の主人孝助を相手に
自分の人生を振り返る


「散り花」
カツオ釣りに出たまま帰らぬ人になった父
もう働けない祖父
まだ働けない弟妹
頼みの弟(たぶん長男と言う意味)は病弱
長女のすがは母と二人で働いても働いても生活は苦しく
いなさ屋に口入れを頼みに来た

海女の仕事をしてきた時の大変さ
女として身を売ってあっさり得た大金
彼女の苦悩・・・


「希望」
遊女屋の女郎として働いていたきち
客から金を巻き上げ逃げてくる
弁天堂の堂守をしていた友造は彼女に惚れて貢ぎ
弁天堂の修復費用にまで手をつけて
きちの後を追う

二人が行き着いた先はいなさ屋

「男波女波」
猟師の佐多蔵
妻のらくは一年前に死んだ
夫婦仲のよかったはずなのに
死んでから次々と妻の秘密が暴かれる

佐多蔵が憂さ晴らしにいなさ屋に飲みに行く
そこには病弱で農家を離縁され
口入を頼みに来たまま
店を手伝っていたゆうがいた


「旅の陽射し」
医者だった意伯
自分の死期を悟った彼が妻の万と銚子へ旅に出る

医者として居丈高で冷淡だった意伯
自分が病気になるとわがままになり
小さなことで妻に当たるようになる
そんな彼は旅に出て人と触れ合ううちに
心が安らいでいく

友人が紹介してくれた磯巡りの案内人が
いなさ屋で働くぬいだった


「古い風」
綿縮の機織りを仕事にして
一人で生きてきたあさ

機屋の主人巳之助があさを女房にと言ってきた
しかしあさには人に言えない過去があった

時々繕い物を頼みにくるいなさ屋の女将たかに
どうしたらいいか相談する


「磯笛」
一人暮らしの猟師島蔵の所へ
身の回りの世話をするためなおという女がやってくる
いなさ屋に紹介してくれるよう頼んでおいたのだった

島蔵はなおに
死んだ息子と女房の残した着物で
万祝を作ってほしいと言う

博打打ちの男と離れられないなお
何とかしてあげたいと思う島蔵

なおと男は去っていった

残された島蔵
ある日誰かに呼ばれた気がして
無意識に万祝を羽織り
舟を出す


「果ての海」
いなさ屋の二人孝助とたかは
夫婦同然の暮らしをしていながら
本当の夫婦ではなかった
二人の行く末は・・・
コメント
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