トライアングルの部屋

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仙台在住で大の阪神ファン

お探し物は図書室まで 青山美智子

2022-03-30 13:59:58 | 本 2022年
羽鳥区にある図書館

そこを訪れた人たちが
人生の指針
これからの生き方のヒントになる本と巡り合う
その本を紹介してくれるのは
司書の小町さゆりさん
なんとも素敵なお名前

でも風貌はものすごく大きな女の人とのこと
太っているというより大きい
ってどんな?
白熊を思わせるって
髪の毛はお団子にしてかんざしが一本って
「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」の女主人を思い出す

最初の話は朋香 21歳
婦人服販売員の場合


毎日惰性で生きていた朋香が
図書館で出会ったのは「ぐりとぐら」という絵本

そこに書いてあったカステラをうまく作れるまで
何度も挑戦する

そこから家の中を片づけたり
料理をするようになったりと生活が変わって

周りにはアドバイスをくれる人々もいて助けられる

二章は諒 35歳家具メーカー経理部勤務の場合

高校の時
アンティークに興味を持ち
お店を開きたいという夢を持ちながら
なんとなく会社員になってしまい
こちらも朋香と同じように惰性で生きていた

そんな時、司書のさゆりさんイチオシショップ
猫の本を集めた猫のいる本屋さんを知る

そこの店主は会社員をしながら
お店を経営

自分の進むべき道が見つかった!!

彼にも協力してくれる恋人や助けてくれる会社の上司とかが
いるんだなあ

時間がないという言い訳はよそう
ある時間でできることを考えようって
前向きになれた!!

三章 夏美 40歳
雑誌編集者


バリバリの編集者として働いていたが
妊娠出産して育児休暇も丸々取らず
四か月で復帰したら
元の職場には戻れず
定時で帰れる職場へ移動させられた

そこから始まるモヤモヤ感

夫や娘への不満

そんな時に図書館でさゆりさんに紹介してもらった本は
「月のとびら」
検索したらヒットした
青い月の表紙が何とも幻想的
著者は石井ゆかりさん

「私たちは大きなことから小さなことまで
どんなに努力しても思いどおりにはできないこと
に囲まれて生きています」

自分が中心だと思うから被害者意識でしか考えられなかったと

そして転職を決意
そこは子連れ出勤も可能な出版社

夫もこれから少しづつ協力してくれるって

夫が浮気してるのではと疑って読んでたけど
ハズレでした

ここで夏美さんは司書のさゆりさんを
ベイマックスのようだと表現している
肌がシミ一つなくて真っ白なんだと

育児のことは
くまのプーさんを可愛いと思うのと
実際に熊と暮らすのとではぜんぜん違うのと
同じくらい想像と違ったと

四章 浩弥 30歳 ニート

デザイン学校を卒業し
イラストの仕事をしたいと思って失敗
その後バイトも続かず
ニート状態

母親から羽鳥区のコミュニティハウスでの
産直市に買い物を頼まれたことがきっかけで
足を運び
ついでに図書室へ

漫画好きの浩弥
小町さゆりさんも漫画にとても詳しかった
話が弾む

彼に紹介してくれた本は「進化の記録」

その中の様々な生き物を見て
描きたいという意欲が沸いてくる

そして雑用係の女性が仕事を休むことになった話を聞き
浩弥が自ら穴埋めに立候補する

そこでの時間はゆっくり流れていく
僕は出来損ないじゃなくて
自分を活かせる場を間違えていただけだったかもしれないと
役に立っているという実感

そうだよなあ
適材適所
自分に合う仕事につけた人は幸せだ

週に四日でもいいじゃないか
給料がわずかでも一歩進めた
お母さんに丸ごと給料袋を渡す
花束を添えて

お母さんはニートの間、せっついたりしなかった
素晴らしい母親
自分もそうだったら黙って見守るなんてできるか?

五章 正雄 65歳 定年退職

42年勤めた会社を定年退職
彼のいた会社は呉宮堂
司書の小町さゆりさんが
手芸用品を入れているお菓子の空き箱の会社
(さゆりさんの大好物はそこのハニードームというお菓子)

正雄曰く
退職してわかったことがある
65歳が思っていたよりずっと若いこと
同感
昔は65歳ってもっとおじいちゃんおばあちゃんだと思っていたよ

名前を呼ばれる機会もずいぶん減った
先月歯医者に行った時が最後か
だって
そうなるか・・・

妻に囲碁をすすめられ
コミュニティハウスに足を運ぶ
ついでに囲碁の本を借りようと
図書室を訪れ
囲碁の本と
草野心平の「げんげと蛙」という詩集をすすめられる
ここで正雄はさゆりさんを
正月に神社で飾られる巨大な鏡餅のようだと
最後の章はこの本のまとめみたいに
前章の人々やその人に関係する人が
ちょこちょこ登場する

正直言って最後の話はそんなに面白くはなかった

小町さゆりさんが過去に養護教諭で
その後司書になり
夫との出会いはハニードームというお菓子
だということはわかっているが
現在の環境をもっと知りたかったかと

これが映像化されたら
さゆりさんはマツコ・デラックスさんではどうでしょう

あと浮かぶのは二章の諒が田中圭さん









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