タヌキの兄弟とわたし

火曜日、仕事がどうしても終わらなくて、深夜２４時前の最後の打ち合わせのあと、
すでに終電もなく、久しぶりに銀座からタクシーで自宅へ。

皮肉なもので、タクシーで帰ると、実際は終電より早く家に着いたりする。
自宅の手前、見晴らしのよい丘の上でタクシーを降り、深呼吸。
明日は休日だけど仕事。しかも朝が早い。
家に向かって、少し冷えた深夜の空気をまとって歩き始める。

急坂を下っていくと、前方に黒い影。逃げない。

ネコ？　あれ？あの下半身の丸まった感じは、、、タヌキ！？
あれれ！　奥にももう１頭いる！

先週見た場所とほぼ同じ。大きさも同じ。この前のタヌキ？
距離は１０メートルぐらい。こちらをジッと見ている。

しばらく見つめ合ったものの、くるりと向きを変えて、
森のほうへ、２頭連れだってタタタタッと早足で逃げていく。
この前のように、ガガガッという勢いはない。やっぱり夜は彼らの時間なんだろうか。

森にたどり着く前に、脇の家にでも入り込んだのか、２頭の姿は見えなくなった。

あ～、よいものを見たと家に入り、
寝ている妻を起こさないように２階に上がり、お風呂に入るべく寝間着を準備した。
ふと思い立って、２階の窓から外を見る。

ああっ！２頭のタヌキがタッタッタッて家の前を通過中！

さっきぐらい近づいても逃げないなら、これは写真も撮れると思い、デジカメを手にこっそり家を出る。
路地を曲がると、いたいた！３０～４０メートルの距離。

デジカメのシャッターを押すが、ピントが合わないせいか、シャッターは落ちない。
ぐぐ、何でもいいから写してくれよ。。。


タヌキは写ってません……。


深夜の住宅街で、デジカメ片手にタヌキの後をつける。
なにやってんだ！？　明日は早いのに。。。

しばらく後をつけると、姿が見えなくなった。
脇の家の敷地にでも入り込んだんだろう。
ぐるりと路地を１周して家に戻る。

家の前に戻ると、あれれ？　道の先の放に動物の影が！？
もう１匹いる！？　あれれ？　さっきのとはちがうよな？　方向も違うし。

ああ、もう深夜２時近い、、、。お風呂に入って、もう寝なきゃ。