中小企業の貸借対照表・損益計算書等の決算書は、その中小企業の経済的実態を表すものです。
ところが、中小企業の経済的実態と中小企業の決算書が示す実態が違っている場合があります。いわゆる粉飾決算です。
この中小企業を改善、又は、再生しようとするときは、まず、決算書を修正して、経済的実態を表すように、つまり、本来の決算書に修正する作業からスタートします。
そうすることで、中小企業の問題点、悪さ加減、今後の方向性等が見えてくるからです。
しかし、経済的実態が悪い場合、決算書を本来の形に修正できないことがあります。
一つは金融の関係で、悪い決算書を金融機関に見せられない場合です。
もう一つは、許認可の関係で、悪い決算書を官公庁に提出できない場合です。
金融機関は、決算書を修正して、中小企業の経済的実態を評価しています。問題となるのは、許認可の関係で決算書を正しい表示にできない場合です。
許認可を維持するために、利益が多くでるような粉飾処理を続けていくと、まず、改善、再生は、難しくなります。
傷が大きくならないうちに、気が付いて、正しい方向に向かえば、間に合うかもしれません。
私が仕事であった社長さんです。
一人は、親戚から引き継いだ中小企業に不良資産があることが判明し、それを隠しながらも(いわゆる粉飾です)、こつこつと業績を回復させていかれた方です。この社長は、その好業績により不良資産を処理し、数年後には、決算書を正常な状態に持っていったのです。しかも、金融機関からの借入金をゼロにしたのです。スゴイ!
もう一人は、若いころに自ら会社を立ち上げた方です。最初は粉飾決算をして、現金を手元に残るようにしたそうですが、あるとき、自社の決算書を見て、何が正しくて、何が嘘かが分からなくなった、正しい実態が分からなくなったと感じたそうです。そのときから一切粉飾はしなくなり、今では、超優良企業になることができたのです。こちらもスゴイ!
しかし、残念ながら、こんような社長は、ごくわずかなのです。
まずは、「中小企業の社長に認識を変えるところから」というのが私の考えです。
こんなかんやが書かれた「本音を言わない銀行、言っても解らない中小企業の社長」は、左のおススメの本から購入可能です。ご一読ください。
52歳のオッサン公認会計士でした。
では、また。
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