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銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

シバリョウに再挑戦

2010年12月13日 | のほほん同志Aの日常
他人の家の書棚を見るというのは、楽しいものです。
ましてそれが、著名な作家のものなら、なおさら。

先週の土曜日、銀ステのツアーで、
東大阪の司馬遼太郎記念館に行ってきました。

こちらの記念館の特徴は、作家の自宅敷地内に建てられているということ、
(雑木林の庭から氏の書斎を見ることもできます)
そして司馬氏の蔵書を展示しているということ。

蔵書は6万冊を超えていたといわれる司馬遼太郎氏。
記念館にはそのなかの2万冊近くが、
高さ11mの書架に収められています。

天井までつづく書架に圧倒されながら、
ひとつひとつ背表紙を目で追ってみました。

白秋全集
鴎外全集
子規全集
中江兆民全集
ツヴァイク全集
…と全集ものがズラリ。

〇〇県地名大辞典
アイヌ史
…と地理にまつわる資料書も多数。

ゾロアスター教論考なる本もあったりし、
氏の膨大な、知識や考察の広がりを感じる空間です。

私の持ってる本と同じ本はないものかしら…と探してみたら
あ、1冊だけありました。

アラビアンナイト。

ちょっとだけ、親近感です。


実は、司馬遼太郎氏の本は、苦手です。

母が好きなようで、
実家の本棚には『竜馬がゆく』やら『翔ぶが如く』やら
シバリョウ本も並んでおり、
私も何度か手にはしてみたのですが、
読み通せたためしがありません。

なので、どこか馴染めないまま
身構えながら、記念館の展示を見ていきました。

すると、壁にかけられた1つの文章に目がとまりました。

小学校の教科書に掲載するために書かれたという
「二十一世紀に生きる君たちへ」。

その冒頭部分を少し、ご紹介します。

****** ***** ******

「二十一世紀に生きる君たちへ」

私は歴史小説を書いてきた。
もともと歴史が好きなのである。
両親を愛するようにして、歴史を愛している。

歴史とはなんでしょう、と聞かれるとき、

「それは大きな世界です。
かつて存在した何億という人生が
そこにつめこまれている世界なのです」

と答えることにしている。

私には幸い、この世にたくさんのすばらしい友人がいる。
歴史の中にもいる。
そこには、この世では求めがたいほどにすばらしい人たちがいて、
私の日常を、はげましたり、なぐさめたりしてくれているのである。

だから私は少なくとも二千年以上の歴史の時間の中を、
生きているようなものだと思っている。
この楽しさは――もし君たちさえそう望むのなら――
おすそ分けしてあげたいほどである。

ただ、さびしく思うことがある。
私が持っていなくて、君たちだけが持っている大きなものがある。
未来というものである。

私の人生はすでに持ち時間が少ない。
例えば、二十一世紀というものを見ることができないにちがいない。
君たちは、ちがう。

二十一世紀をたっぷり見ることができるばかりか、
その輝かしいにない手でもある。

(後略)

****** ***** ******

自身の歴史観から始まる、
21世紀の子供たちへ向けたメッセージ。

司馬氏は後に
「長編小説1本書くぐらいのエネルギーが必要だった」
と語っていたそうです。

その思いが、決して長くはない文章から伝わってきました。

初めて、司馬氏の作品を読み通せたことに気をよくし、
絵本のように大きな文字の
『二十一世紀に生きる君たちへ』を買ってみました。

ようやく、シバリョウ本へのとっかかりを見つけた気分。
子ども向け、というのが良かったんでしょう。
何せ、共通の蔵書は『アラビアンナイト』だけでしたから。


▼「甲子園スタジアム見学」ツアー報告はコチラ
http://ameblo.jp/arailuka/day-20101110.html

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