他人の家の書棚を見るというのは、楽しいものです。
ましてそれが、著名な作家のものなら、なおさら。
先週の土曜日、銀ステのツアーで、
東大阪の司馬遼太郎記念館に行ってきました。
こちらの記念館の特徴は、作家の自宅敷地内に建てられているということ、
(雑木林の庭から氏の書斎を見ることもできます)
そして司馬氏の蔵書を展示しているということ。
蔵書は6万冊を超えていたといわれる司馬遼太郎氏。
記念館にはそのなかの2万冊近くが、
高さ11mの書架に収められています。
天井までつづく書架に圧倒されながら、
ひとつひとつ背表紙を目で追ってみました。
白秋全集
鴎外全集
子規全集
中江兆民全集
ツヴァイク全集
…と全集ものがズラリ。
〇〇県地名大辞典
アイヌ史
…と地理にまつわる資料書も多数。
ゾロアスター教論考なる本もあったりし、
氏の膨大な、知識や考察の広がりを感じる空間です。
私の持ってる本と同じ本はないものかしら…と探してみたら
あ、1冊だけありました。
アラビアンナイト。
ちょっとだけ、親近感です。
実は、司馬遼太郎氏の本は、苦手です。
母が好きなようで、
実家の本棚には『竜馬がゆく』やら『翔ぶが如く』やら
シバリョウ本も並んでおり、
私も何度か手にはしてみたのですが、
読み通せたためしがありません。
なので、どこか馴染めないまま
身構えながら、記念館の展示を見ていきました。
すると、壁にかけられた1つの文章に目がとまりました。
小学校の教科書に掲載するために書かれたという
「二十一世紀に生きる君たちへ」。
その冒頭部分を少し、ご紹介します。
****** ***** ******
「二十一世紀に生きる君たちへ」
私は歴史小説を書いてきた。
もともと歴史が好きなのである。
両親を愛するようにして、歴史を愛している。
歴史とはなんでしょう、と聞かれるとき、
「それは大きな世界です。
かつて存在した何億という人生が
そこにつめこまれている世界なのです」
と答えることにしている。
私には幸い、この世にたくさんのすばらしい友人がいる。
歴史の中にもいる。
そこには、この世では求めがたいほどにすばらしい人たちがいて、
私の日常を、はげましたり、なぐさめたりしてくれているのである。
だから私は少なくとも二千年以上の歴史の時間の中を、
生きているようなものだと思っている。
この楽しさは――もし君たちさえそう望むのなら――
おすそ分けしてあげたいほどである。
ただ、さびしく思うことがある。
私が持っていなくて、君たちだけが持っている大きなものがある。
未来というものである。
私の人生はすでに持ち時間が少ない。
例えば、二十一世紀というものを見ることができないにちがいない。
君たちは、ちがう。
二十一世紀をたっぷり見ることができるばかりか、
その輝かしいにない手でもある。
(後略)
****** ***** ******
自身の歴史観から始まる、
21世紀の子供たちへ向けたメッセージ。
司馬氏は後に
「長編小説1本書くぐらいのエネルギーが必要だった」
と語っていたそうです。
その思いが、決して長くはない文章から伝わってきました。
初めて、司馬氏の作品を読み通せたことに気をよくし、
絵本のように大きな文字の
『二十一世紀に生きる君たちへ』を買ってみました。
ようやく、シバリョウ本へのとっかかりを見つけた気分。
子ども向け、というのが良かったんでしょう。
何せ、共通の蔵書は『アラビアンナイト』だけでしたから。
▼「甲子園スタジアム見学」ツアー報告はコチラ
http://ameblo.jp/arailuka/day-20101110.html
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貸切バス・オーダーメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
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ましてそれが、著名な作家のものなら、なおさら。
先週の土曜日、銀ステのツアーで、
東大阪の司馬遼太郎記念館に行ってきました。
こちらの記念館の特徴は、作家の自宅敷地内に建てられているということ、
(雑木林の庭から氏の書斎を見ることもできます)
そして司馬氏の蔵書を展示しているということ。
蔵書は6万冊を超えていたといわれる司馬遼太郎氏。
記念館にはそのなかの2万冊近くが、
高さ11mの書架に収められています。
天井までつづく書架に圧倒されながら、
ひとつひとつ背表紙を目で追ってみました。
白秋全集
鴎外全集
子規全集
中江兆民全集
ツヴァイク全集
…と全集ものがズラリ。
〇〇県地名大辞典
アイヌ史
…と地理にまつわる資料書も多数。
ゾロアスター教論考なる本もあったりし、
氏の膨大な、知識や考察の広がりを感じる空間です。
私の持ってる本と同じ本はないものかしら…と探してみたら
あ、1冊だけありました。
アラビアンナイト。
ちょっとだけ、親近感です。
実は、司馬遼太郎氏の本は、苦手です。
母が好きなようで、
実家の本棚には『竜馬がゆく』やら『翔ぶが如く』やら
シバリョウ本も並んでおり、
私も何度か手にはしてみたのですが、
読み通せたためしがありません。
なので、どこか馴染めないまま
身構えながら、記念館の展示を見ていきました。
すると、壁にかけられた1つの文章に目がとまりました。
小学校の教科書に掲載するために書かれたという
「二十一世紀に生きる君たちへ」。
その冒頭部分を少し、ご紹介します。
****** ***** ******
「二十一世紀に生きる君たちへ」
私は歴史小説を書いてきた。
もともと歴史が好きなのである。
両親を愛するようにして、歴史を愛している。
歴史とはなんでしょう、と聞かれるとき、
「それは大きな世界です。
かつて存在した何億という人生が
そこにつめこまれている世界なのです」
と答えることにしている。
私には幸い、この世にたくさんのすばらしい友人がいる。
歴史の中にもいる。
そこには、この世では求めがたいほどにすばらしい人たちがいて、
私の日常を、はげましたり、なぐさめたりしてくれているのである。
だから私は少なくとも二千年以上の歴史の時間の中を、
生きているようなものだと思っている。
この楽しさは――もし君たちさえそう望むのなら――
おすそ分けしてあげたいほどである。
ただ、さびしく思うことがある。
私が持っていなくて、君たちだけが持っている大きなものがある。
未来というものである。
私の人生はすでに持ち時間が少ない。
例えば、二十一世紀というものを見ることができないにちがいない。
君たちは、ちがう。
二十一世紀をたっぷり見ることができるばかりか、
その輝かしいにない手でもある。
(後略)
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自身の歴史観から始まる、
21世紀の子供たちへ向けたメッセージ。
司馬氏は後に
「長編小説1本書くぐらいのエネルギーが必要だった」
と語っていたそうです。
その思いが、決して長くはない文章から伝わってきました。
初めて、司馬氏の作品を読み通せたことに気をよくし、
絵本のように大きな文字の
『二十一世紀に生きる君たちへ』を買ってみました。
ようやく、シバリョウ本へのとっかかりを見つけた気分。
子ども向け、というのが良かったんでしょう。
何せ、共通の蔵書は『アラビアンナイト』だけでしたから。
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