雨が降るからこそ大地が潤い、植物も実り、
雲の割れ目から久しぶりにのぞく青空に心がふるえるわけで、
だからあまり雨を悪者にしたくはないのですが…。
それにしても、この秋は雨が多かった。
毎日雨ばっかり降っていた。
とくに、この一週間は。
10月のちょうど真ん中の1週間。
前半は箱根へ。後半は新潟へと、雨のなか行ってまいりました。
前半、箱根1泊2日の最大の見どころは、4年前にオープンした岡田美術館。
初めて伺いましたが、ここはスゴイ!です。
収蔵品の目玉のひとつが、喜多川歌麿による大画面の肉筆画「深川の雪」。
これは歌麿の「雪月花」三部作のひとつとされており、
長く行方不明だったのを平成24年に発見され、めでたく岡田美術館の収蔵品に。
三部作のうち、残る二作、「吉原の花」と「品川の月」は
明治期にアメリカのふたつの美術館にそれぞれ渡り、今にいたります。
今回の特別展は、タイトルに
「歌麿大作『深川の雪』と『吉原の花』――138年ぶりの再会」
とあるように、「吉原の花」をはるばるアメリカから迎え、
岡田美術館の「深川の雪」とともに展示、
さらには借りられなかった(失礼!)「品川の月」を原寸大の精緻な複製画に制作し、
三部作並べて公開するという大々的なもの。
話のスケールも大きいですが、絵も桁外れに大きくて、
たとえば「深川の雪」は縦199cm、横341cm。
そんな大作「雪月花」三部作がずらり並んでいるのですから…。
ほかにも青磁・白磁の常設コレクションがすばらしく、
思わず美術館の方を掴まえ聞いていました。
「岡田美術館の岡田さんって、何をしている人なんですか?」
答えは、
「もとはジュークボックス、今はパチンコ機器の製造メーカーの経営者です」。
へぇ~!
後半の新潟ツアーのメインは、
上越地方の海と山を見ながら走る観光列車、
その名も「雪月花」。
大きな窓一面に広がるはずだった妙高山は、雨雲のなかで残念でしたが…。
(日本海はばっちり!)
忘れっぽい私のこと、あと5年もすればこの雨の一週間は
雪と月と花、すなわち雪を月が照らし、梅も香る2月の記憶にすりかわっているかもしれません。
*******************************
バス旅行、オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日9:00~17:00)
■銀のステッキは会員制の「旅サロン」を主催しています。
■公式ホームページ:http://www.gin.st.com
*******************************