思い返すと「青森県」は、関西を除くと、一番よく訪れている県かもしれません
弘前城が桜に包まれる「春」
ねぶたがおこなわれる「盛夏」
八甲田、十和田湖、奥入瀬渓流が色づく「秋」
八甲田の酸ヶ湯にドカ雪が積もる「真冬」
一年中、人を惹きつける何かがあります
青森の「今」を気にしている私にとっては
関西ではなく、青森が季節のバロメーターかもしれません
今回ご一緒した皆さまは、「青森県」初上陸の方から
違う季節で来たことがあり、いちど秋景色が見てみたかったというリピーターの方もありました
皆さまが一番楽しみにされていたのは、白神山地の十二湖
コバルトブルーに輝く、森の中の秘湖との出会いです
初日、私たちは飛行機で秋田空港に降り立ち、
秋田駅からJR五能線「リゾートしらかみ号」で青森県鯵ヶ沢へ向かいました
車窓から見えるのは、おだやかな日本海と、反対側には中腹が紅葉で色づいた白神山地
台風が近づいている影響もあり、空はどんより
何となく、秋の終わりを感じさせるもの哀しさを漂わせます
短い秋も終わりかな・・
翌日は、天気予報から、雨は覚悟で白神山地に向かいました、、
十二湖に到着し、ガイドさんに会うやいなやこのひとこと
「皆さん、いっちばんいい時に来られましたよ!
白神山地は今が黄葉のピークで、今、もんのすごいきれいで
私も十年以上ガイドやっていますけど、こんなきれいな黄葉は初めてです(本当に)
明日は台風が来るから、このきれいに色づいた葉っぱはみんな落ちちゃいます
そうすると、秋は終わりですね、、、森もそろろ冬支度です」
と興奮しておっしゃるほど
その言葉が大げさではないのが、森に入ってすぐ分かりました
青池、そしてさらに深い碧色の沸壷の池
曇り空ですら、これだけの色が出るのですから、晴れていたらどうなることでしょう
ブナの自然林も、やわらかい黄色に包まれ
時に目が覚めるような紅色の葉も
雨予報100%でしたが、奇跡的に1滴の雨にあうこともなく、白神山地を満喫しました
ここでも感じた、晩秋のもの哀しさ
いずれこの森も数メートルの雪におおわれ、生き物や植物は春まで眠りにつくのでしょう
最終日、八甲田方面へ行く予定をしていましたが、
台風の関係で大雨となり、山へ行くのは危険と判断し、行程を急遽変更してご案内
「津軽の音、味、色、そして匂いを感じる1日」です
この日お世話になったドライバーさんの名案内付きです
まずは五所川原の立佞武多(たちねぷた)
東北の夏祭りといえば有名なのは「青森ねぶた」そして「弘前ねぷた」がありますが
ご覧ください、このミニチュア模型の比較
右から「弘前ねぷた」、真ん中「青森ねぶた」、そして左奥が「立佞武多」
ダントツの大きさと迫力です!7階建てのビルに相当します
五所川原という小さな町が、夏、この大きな立佞武多を3基、動かすのです!
力強いお囃子と、夜の五所川原を照らす勇壮な立佞武多の姿
来年の夏は、ここに帰ってきたいと思いました
そして少し北上して金木町の「津軽三味線記念館」へ
生演奏を聴きました
何度も訪れて、何度も聴いているはずなのに、今回はどうしてか泣けてくるのです
ふと、お客様のほうを向いてみると、ひとり、涙をぬぐっておられます
何十年かぶりに、宿泊の旅行に来られ(銀ステ宿泊ツアーは初めて)、
「一度、津軽三味線の生演奏を聴いてみたい」とつぶやいておられた方です
津軽三味線の元は、瞽女(ごぜ)、盲人の女芸人です
冬場、深い雪にとざされてたこの津軽は、通りを弾き語りしても、
ピシャリと閉じられた家々の扉の奥までは音が届かず、
次第に、弦を弾くような、大きな音になっていったそうです
生で聴く津軽三味線の音は、機械を通して聴いた音と全く違いました
ビンビンと胸のうちにせまりくるような音です
バックに津軽の雪景色や、岩木山、ねぶたの顔が浮かび上がってくるようで
なぜかここでもまた、もの哀しさを感じるのです
「津軽の音、味、色、そして匂いを感じる1日」
音、とはもちろん津軽三味線の音色
味、とは、こちら しじみラーメン(絶品!)
色、とは 立佞武多の夜空に浮かぶ鮮やな色
そして匂いとは、、津軽三味線の名人「高橋竹山」の言葉
― それを聴けば 津軽の匂いがわきでるような
そういう音を出したいものだ ―
三味線からにじみでる津軽の晩秋の匂い
これほどまでに切ないものと思いませんでした
嶽温泉 の 硫黄の匂いも
鰺ヶ沢名物 イカ焼きの匂いも 津軽の匂いです
津軽りんごと並んで人気なスチューベン(ぶどう)の、何と 餃子!
挑戦しなかったのが心残り