最後に着たのは…
たしか、10年前の成人式
最後でもあり、最初でもあり、つまり一度っきり
実家の箪笥の中で、長い眠りについている「着物」
着たくても着られないし着る場もないし
ごめんなさい、です
先日、着物の着付け教室の皆さまと、
長浜へ貸切バス旅行に同行してきました
毎年、着物に関わる何かを旅にとりいれ、
学習することを主に考えておられます
昨年は、“古代衣装を学ぶ”ということで平城旧跡へ
そして今年は、“浜ちりめんを学ぶ”ということで長浜へ
浜ちりめん工場を訪ねてきました
*浜ちりめん…長浜の伝統地場産業*
日曜日、ということもあってどこの工場も休みでしたが
無理なお願いにもかかわらず、ある工場が快く工場見学を
受け入れてくださいました
“着付け教室”で行う学習旅行なんです、と説明すると
工場の方が、どうしても、皆さんに伝えたいことがある、と
工場に到着すると、
“もっぱら生地を作る方の専門でして、話下手で…”
と前置きし、担当の方が工場を順にまわりながら、
今日のために作ってくださった、手作りの資料を基に
「浜ちりめんとは」「生糸の歴史」「丹後縮緬との関係」…等々
興味深いお話を、たっぷりとしてくださいました
生徒の皆さんは、初めて知ることも多く、
メモをとったり質問したりと、とても熱心なご様子
見学時間も押し迫ってきた後半
着物文化の衰退について、担当の方が
これだけは皆さんに伝えたい、と
「着物文化は衰退する一方です
これは、日本人が悪いのではなく、日本の文化が変わってきたせいでもあります
ですが、生糸の工場、つまり私たちにも大きな責任があると感じています
衣装にとって一番大事な「着やすさ」を無視し、
より豪華に、より重く、より仰々しく、着物を改良し、
結果、その方が、「良い着物」と思わせてしまったのです
ですから今、着物業界全体が、
着物の方向性、つまり未来を考え直しているところなんです
そこで皆さんにもお願いです
最後に僕が伝えたいこと、それは、
「着物を着る楽しみ」
「着物を着た喜び」
そしてもう一つ…
「着物を“着せる”喜び」
これを絶対忘れないでください
女性は多少着物を着る機会があったとしても
男性は、ほぼなくなってしまいました
そんな男性に着せてあげてください
着たいと思っている人、女性でも、身近な人でもいいです
一人でも多くの方に着物のすばらしさを伝えていってください」
その言葉を聞いた時、メモをとっていた皆さんの手が一瞬止まりました
日本の伝統文化継承の一助となる
それは、ささいなことからできることなのです
自宅の箪笥で眠っている着物
いつまでも眠らせておく術はないようです
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