
ようやく晴れそうだったので、かねてから気懸かりだった西上州の「白髪岩」(1512メートル)を目指した。ガイド本によると時間はかからないが、ヤブ漕ぎの山で登山口や登山道が明確でないとのこと。ネット情報の“今は訪ねる人も多く、ヤブ漕ぎ派には期待を裏切るかも?”を信じ、一人で出掛けた。明治初期の「原三角測点」として3番目に発見されたものが山頂にある。これを確認するのが山行の目的。
日野地区から富岡方面に抜ける山道を走り、峠の会場集落で左にわけ林道に入る。御荷鉾スーパー林道に合流し森林公園方面へ。管理事務所を過ぎ3キロほど走ったところで、自生している「ヤマブキソウ」を見つけた。

赤久縄山の西登山口を過ぎると、林道は少し細くなり、白髪への登山口を見落とさないように慎重に運転。意外にも“白髪岩”の標識があった。その奥に、細いが明確な踏み跡がある。これなら往けそうだ。
急登はほんの数分。ツルキンバイやユキザサ、名前の知らない小さな草々、新芽のカラマツやモミジの中を快適に歩く。ミツバツツジが鮮やかな紫色で緑の中に浮かんでいる。1499地点を順調に過ぎ、分岐点で直登ルートを選ぶ。山頂直下でやや急登があったがあっけなく到達した。
山頂に原三角測点があった。土台の部分が苔むしており、古さを感じさせる。ただ、中央部は比較的最近作り直したものだ。樹木に覆われ展望が殆ど無いだけに、こんなところで三角測量ができるのだろうかと心配になる。東の岩場に立つと浅間から上信越国境の山々が見渡せた。木が無ければ360度の展望が得られる場所なのだろう。雲取山と米山(新潟県)とここの3箇所にしか現存しない貴重な資料だと言う。
