
登山道脇の半日陰の林の中でマイヅルソウを良く見かける。群馬県内では千メートル前後の標高から亜高山帯までの高さに多い。可愛い名前が印象的だが、写真に“撮ろう”と思うほどの花をつけているものにはなかなか会えない。武尊山への登山口の三合平から歩き出して間もなくのところ。ブナ林の中の登山道脇に群生していた。
「マイヅルソウ」はユリ科の多年草。草丈は低く10-15センチ程度。新しい植物の分類方法ではスズラン科に分類されることもある。ハート型の葉と湾曲した葉脈の形をツルが舞う姿に見立てたことで可愛らしい名がついている。葉が虫に食われており、鶴の優雅さは感じられないが、これは撮影者の鈍感さ故と理解いただきたい。
カメラを向けた理由は、この花としては珍しく大きめの花をつけていたこと。白い小さな(1・5センチほど)の総状花序(花が房状に咲く様子)で、元々目立たない。群生していることが多く、多少花が咲いていても“いつでも撮れる”と思い後回しになってしまっていた。
写真を撮るのはなかなか難しい。接写しようとすると1輪だけになってしまう。もっと賑やかにしようと思うと良く判らない白い花にしかならない。