啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「サンカヨウ」と鹿俣山

2011-06-12 08:46:44 | 山野草

今、あなたの一番好きな花は?と聞かれれば「サンカヨウ」と答えるだろう。広く大きな緑の葉に、可憐で真っ白な花が清らかだ。この花の写真を撮りたくて、沼田市の北西部にある玉原高原の鹿俣山(1637メートル)に登った。

「サンカヨウ」はメギ科の多年草。中部以北の湿った山地に自生する。草丈は30-60センチほどで大型。雪融け後の肥えて湿った土地に咲く。色の濃い緑の大きな葉の上に、小さくて純白の可愛い花を3-10個つける。漢字で表すと“山荷葉”となる。カヨウとは荷葉=ハスの花のことだそうで、山の中に咲くハスの花に例えたもののようだ。ハスの花とは様相が異なるが、大きな葉の上に浮かぶようにさく姿は美しい。

今までに、この花を探して尾瀬に2回(鳩待ちー尾瀬ヶ原、鳩待ちーアヤメ平ー富士見)行ったが、時期が悪かったことを第一の理由に、泊まった小屋の近くで“植えられたような形”で咲いているものしか写真に撮れなかった。昨年、鹿俣山で自生しているサンカヨウを見つけ感激した。

「鹿俣山」は玉原高原の北側、玉原スキー場の最奥のリフト降り場の先に山頂がある。玉原湿原のセンターハウス前に駐車。ブナ平の原生林を歩き、スキー場のゲレンデをジグザクに横切りながら高度を上げていく。

カッコーの鳴き声が“下に聞こえる”ようになった辺りにこの花が咲いている。昨年初めて見つけた時、熊笹のタケノコが美味しそうな時期だった。今年は、タケノコが伸びきっている。遅れてしまったかと思ったが、白い可憐な姿で待っていてくれた。

ブナ平付近までは、入山をためらうほどの霧がかかっていたが、この花に出会った後で気付くと、薄日が差し込んできた。

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