
湯の丸(長野県)や赤城ではレンゲツツジが咲き乱れている頃だろう。今週中にどちらかに出掛けてみたいもの。つつじの仲間は多く、アブラツツジからドウダンツツジなどこれからも咲き続けるが、私の中でのツツジシーズンはレンゲツツジで終わりとなる。レンゲの前、殆ど同じ頃に咲くのがシロヤシオツツジとムラサキヤシオツツジ。玉原の鹿俣山の山頂、熊笹に覆われた崖にひっそりとムラサキヤシオツツジが咲いているのを見つけた。
「ムラサキヤシオツツジ」はツツジ科の落葉低木。木の丈は1-3メートルと低い。別名でミヤマツツジと呼ばれるように深い山に咲く。濃い緑の葉が芽吹き始め、まだ葉を広げないうちに枝先に3-6個ぐらいの鮮やかな赤紫の花をつける。
漢字で表すと“紫八汐躑躅”。ヤシオ=八汐は8回も染料で染めると言う意味だそうだ。赤、白に紫と3種類のヤシオツツジがあるが、いずれも何回も染め抜いた透き通るような色彩を称えた名がついているのだろう。緑の中に浮かぶ透き通るような赤紫の花は強く印象に残る。
鹿俣山の山頂。北から東方面への展望が広がる。東南側は熊笹に覆われた急な崖が広がる。熊笹に掴まりながら笹を分けると鮮やかな赤紫のムラサキヤシオツツジ。体制を確保するのに苦労したが、ようやくこの写真を撮ることができた。撮った後で見渡すとムラサキヤシオの赤とオオカメノキの白い花がポツポツと浮かぶように咲いていた。玉原の湿原にもこのツツジは多いが、花のシーズンは終わりかけていた。