啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「テガタチドリ」

2011-07-20 08:28:07 | 山野草

写真撮りの下手さに腹が立つ。せっかく3000メートルの山に登ったのに、ろくな写真が無い。山小屋に着いた後余裕があり、一人で撮影に出かけたのだが電池切れ。翌日の本番もミス続き。カメラのせいにはしたくないが・・。幸いにも、湯の丸・烏帽子の写真がまだ残っている。

「テガタチドリ」はラン科の多年草。亜高山帯から高山帯の草原に咲く。烏帽子岳(2066メートル)の稜線上の草原で撮ったもの。15日に掲載したハクサンチドリが、先が尖った花びらで艶やかなのに対し、穂状にちいさな赤紫をつけるこの花は地味。同じチドリの名がつきながら、似たような場所に咲いていると負けてしまう。

名前の所以は、花や葉の外見からでなく“肥大する根の部分が手の形に似ている”からだそうだ。これに、薄い赤紫の花をチドリの飛ぶ姿に見立て、ハクサン種との違いを明確にたもののようだ。

※昨夜、寝る前にラジオを聴いていたカミさんから「聖岳の山中で崖崩れか何かで、閉じ込められている人が何人かいるみたい。ニュースが伝えていた」ということ。幸運な私たちは、山頂での展望を楽しみ、天候が崩れる前に下山した。台風接近が伝えられる中で、登ってくる人に数人出会った。登山口までの林道が“落石注意”の看板と落ちてきた尖った石ころの連続。尾根沿いの急登が続く登山道も雨が降れば大変だろう。まあ、強そうな人達だったから対応力はあるだろう。
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「聖岳」に登ってきた

2011-07-19 09:08:24 | 低山歩き

17,18日の2日間で、南アルプス「聖岳」(3013メートル)に登ってきた。学生時代の友人に連れて行ってもらったもので、山小屋泊はこれが2回目。“低山歩き中心の私が行けて、本人達もある程度楽しめる山”に登ることに加え、旧交を温めると言うのが年1回の山行コンセプト。

便ヶ島(たよりがしま、1100メートル))→西沢度→苔平→薊畑分岐2400メートル)→聖平小屋(泊)→薊畑→小聖(2662メートル)→聖岳(3013メートル)→奥聖岳(2982メートル)を往復すると言うコース。初日の山小屋までだけで、急登の連続が6時間近い。2日目はプラスマイナスの標高差合計で約3000メートルの私にとっては“過酷”なコース。

岐阜の2人、愛知1人、群馬1人が飯田IC出口に午前7時頃集合。喬木村から矢筈トンネル、上村をて便ヶ島の登山口まで1時間半弱。8時半頃に木材運搬の森林鉄道沿いにスタート。西沢渡には名物の渡渉場があり、総重量150キログラムの“ワイヤーロープウェイ”がある。今でも、増水時には使うのだろうが、幸いにも?当日は橋を歩けた。ここからは、樹林帯を尾根沿いにひたすら急登。とにかく登るだけ。汗だらけになってしまった。帰路に感じたのは“よくもこんな坂を登れたもの”だった。

5時間半ほど急登を続け、稜線に出たところが薊畑で聖岳への分岐点(2400メートル)。聖平小屋(2200メートル)までは30分弱下る。午後2時半頃に到着した。山小屋は超満員で余り語りたくない光景。冷えたビールが最高だった。


翌日は午前4時に起床。食事をして5時20分に小屋発。薊畑から再び急登。台風の影響も殆ど無く、冷気が清々しい。小聖岳で展望を楽しみ、一段と斜度を急にしたガレ場をひたすらジグザグに登っていく。意外と快調に高度を稼ぐ。小屋から2時間半ほどで山頂に着いた。快晴ではないが、雲をかぶった富士山から北アルプスなど展望できた。予定より余裕があり、奥聖岳まで往復。下山を開始する頃には北側から雲がかかり始めていた。

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「ゴゼンタチバナ」

2011-07-16 08:11:32 | 山野草

高い山に行くと、登山道脇などに良くこの花を見る。最初にゴゼンタチバナを知ったのはのは、5-6年ほど前に苗場山に登った時。体調が良くなかったのか知れないが、今までで一番苦しい山行だった。和田小屋から神楽峰までの長い急登の道脇にいっぱい咲いていた。昨年、何回かこの花の写真を撮ったが、ブログに載ることは無かったと思う。何故だろう。

「ゴゼンタチバナ」はミズキ科の多年草。標高で1500㍍以上ぐらいの針葉樹林の下や登山道脇、尾根沿いの低木の陰などで良く見る。この写真は湯の丸山の頂上下で採ったもの。ミズキ科というと大きな木を意識してしまうが、草丈が10-20センチ程度、花径も1センチほどの小柄。草本でミズキ科の植物はそんないないのでは??

何だか重々しい名がついている。石川県の白山の最高峰「御前峰」に由来し、赤い種子が実ることでカラタチバナに似せてこの名がついたという。可愛くも美しくも無い?が、小柄ながら凛とした佇まいが、そのまま“貴族の家紋”にでもなっているのではないかと勝手に思っていた。
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「ハクサンチドリ」

2011-07-15 08:35:49 | 山野草

長野県の東部、湯の丸から高峰辺りの高原は高山植物や山野草の宝庫。比較的歩きやすい登山道で、北アルプスなど高い山に咲いている高山植物に出会うこともある。年に何回かは訪ねる場所だが、ここで撮った写真を使ってしまう(ブログで)と“本場の花?を見つけた時”には2番煎じになってしまうと心配するほど種類が多い。そんなことはどっちでもいいか・・・。

「ハクサンチドリ」はラン科の多年草。高山植物。草丈は10-40センチ。風の強い稜線沿いなどでは小さく、笹藪では笹より高く赤紫の派手な花をつける。白山の多く自生しており、花の咲き方を千鳥の飛ぶ姿に見立てこの名がついている。

美しく、妖艶な姿が印象的。汗を吹出しながら歩く登山道脇で疲れを癒してくれる。
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「アズマシャクナゲ」

2011-07-14 08:48:24 | 山野草
添付し忘れていました。

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「キツリフネ」と「アズマシャクナゲ」

2011-07-14 08:07:28 | 山野草

「キツリフネ」はツリフネソウ科の一年草。草丈は30-80センチで花柄を先頭部から出し、3-5個の花が釣り下がるように咲く。やや湿った場所に群生する。夏から秋にかけ、唇形の黄色い花をつける。花の形から名がつけられている。

花がピンクの“ツリフネソウ”は西上州の里山のあちこちで見かける。花が黄色のタイプがあることは図鑑で知っていたが、写真を撮ったのは初めてのような気がする。榛名湖を一周する道路沿いに咲き始めていた。

「アズマシャクナゲ」はツツジ科の常緑低木。太郎山に登った時、シャクナゲのシーズンは終わりかけていたようだが、山王帽子山から小太郎山への林の中、太郎山への稜線沿いなどでポツポツと花が残っていた。花の色がやや薄いピンクで、日陰に咲いていたせいかもしれない。

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「カラマツソウ」と「カワラマツバ」

2011-07-13 08:14:00 | 山野草

余りに暑いので、散歩に榛名山に出掛けた。ユウスゲの写真でも取れればよいと思ったが、草原の遊歩道にはほとんど花が見られない。あと10日もすれば夏の花がいっぱい咲くのだろうが・・。遊歩道を一周しかけた時、マツカゼソウと思って撮ったのがこの写真。花が“カラマツソウに似ている”と思ったので調べて見ると、やっぱりカラマツソウのようだ。同じような場所で見つけた細い葉をした植物。通りかかった人に名を訪ねるとカワラマツバと教えてくれた。

「カラマツソウ」はキンポウゲ科の宿根草。宿根草というのは冬など生育に条件の悪い時に地上部を枯らし、条件が良くなると発芽すると言うタイプのことのようだ。花弁は無く、白い糸状の花に見える部分は雄シベだそうだ。日本固有種。

榛名より最っと高い草原で自生していると思っていた。大分前だが、この花を初めて見たのは六合村の三壁山→カモシカ平を歩いた時。清々しさが印象的で好きな花。葉がほとんど似ている“マツカゼソウ”をカラマツソウと思い込み、トキの島から持ち帰ったが、花の形が全く異なっていた。今でも元気で育っている。

「カワラマツバ」はアカネ科の多年草。草丈は60-80センチ。細い葉の部分が印象に残る。川原などに多く、葉の部分を松に見立ててこの名がついたという。

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「湯の丸山」から「烏帽子岳」へ

2011-07-12 08:36:48 | 低山歩き

あと六日後に迫った南アルプス「聖岳」への登山。友人達に迷惑をかけないようにと足慣らしをしてきたが、その最終版が今回の山行。暑さとここ1週間の運動不足?からか、かなり疲れ、時間もかかってしまった。大丈夫?レンゲツツジの大群落辺りでは、ハクサンフウロぐらいしか咲いておらず“少し早かったかな?”と思ったが、稜線に上がるとハクサンチドリやハンショウヅル、ハクサンシャクナゲなど期待通りの”花山”となっていた。

「湯の丸山」(2099メートル)は群馬と長野の県境にある。登山口とした地蔵峠(湯の丸スキー場)から80分ほどで山頂に着く。登りやすい山。ゲレンデ(夏は牧場)をリフト伝いに上がるが、見た目以上に上りがきつく、汗が吹出してくる。花もクローバーぐらいしか見当たらない。ツツジの大群落(ツツジ平)はシーズンが終わり、人の気配が無かった。

岩混じりの急登に入る。ハクサンシャクナゲやコケモモ、クロマメノキなどポツポツと咲いている。昨年来たとき(湯の丸→角間山)より花の種類が少ないような気がする。写真を撮ったり、汗をぬぐったりで止まる時間が多い。何だか調子が出ない。2人に追い抜かれてしまった。北峰(写真)までの所用時間は薬1位時間30分。ガイド本より10分後れ。

「烏帽子岳」(2066メートル)を目指す。石ころだらけの急坂を標高差で3百メートルほど下り鞍部へ。また同じ高さを登り返す。こちらも急坂だが、石が少ないだけに登りやすい。写真を撮りながらゆっくりと歩いて、ガイド本通りの50分で山頂。こちらはグンナイフウロ、テガタチドリにハクサンチドリ、ニシキウツギからコマクサ、ハンショウヅルまで尾根沿いに咲き揃っていた。

烏帽子岳から上田市方面
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「ヤマオダマキ」

2011-07-11 05:41:04 | 山野草

つい最近まで、高い山は春と初夏が混在していた。関東地方でも梅雨が明けたが、山はあっという間に夏の色を濃くした。ヤマオダマキは夏の中高層草原を代表する花の一つで毎年楽しみにしている。赤城の覚満淵(小湿原)で一株だけ咲いていた。

「ヤマオダマキ」はキンポウゲ科の多年草。日本原産種とされており、草丈は30-60センチ。草原や林の縁の明るい場所、登山道脇などに変わった形の花をつける。

オダマキは糸を巻く道具のことで、花の形が似ていると言うことから名がついている。何だか優しそうな花に感じるのは私だけだろうか。

「キバナニヤマオダマキ」は薄緑色の静かな花が印象的。ヤマオダマキの変種なのだそうだ。榛名のロープウエイ近くの林の中にひっそりと咲いていた。

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「ナナカマド」の花、ミヤマキンバイ

2011-07-10 06:45:45 | 山野草

日光・光徳の牧場辺りから登山口までの林道沿いにナナカマドが白い花をつけていた。真っ赤に熟した実と尾根沿いで先陣を切って真っ赤に紅葉する姿を直ぐに思い出すのは私だけだろうか。今年、何回も見ているのだが何だか印象に残った。ミヤマキンバイは小太郎の山頂付近から太郎山までのガレた場所や登山道脇の草地にいっぱい咲いていた。似たような種が多いが、間違いないと思う。

「ナナカマド」がバラ科とは思わなかった。北海道の千歳空港からバスで札幌市内に向かった時“真っ赤に色を着けたナナカマドの実”と3年ほど前に上った白砂山への尾根沿いで見た紅葉の赤が忘れられない。まだ、紅葉を意識していない時期に、ひと足早く秋に反応した変化を見たからだと思う。落葉高木と紹介されるが、風邪の強い尾根沿いなどでは地を這うように生きている。

調べて見るとこの植物は面白い。木や実が堅く”竈(カマド)に7回入れても燃えないで残る”から。材は堅く、7日間“カマドで焼いて上質の炭になる”とか種の名前のついた理由。燃えにくいことから“火災除けや落雷防止”のシンボル?にされるとか・・・。

「ミヤマキンバイ」もバラ科だった。草丈10-20センチで夏に鮮やかな黄色の花をつける。高い山に咲くキンバイソウ、花が黄色く梅に似ると言うことからこの名がついている。

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