啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ベニサラサドウダン」

2011-07-09 05:43:53 | 山野草

東海地方まで梅雨が明けた。高山の尾根沿いはお花畑が賑やかになる頃だが、樹林帯の花に関しては真夏を前に少し寂しくなる。ツツジの仲間は多いが、この時期になっても咲いている?のがドウダンツツジ。日光の太郎山中腹にベニサラサドウダン、ツツジ類なら何でもある赤城山の小沼にサラサドウダンが咲いていた。

「ベニサラサドウダン」はツツジ科の落葉低木。5ミリほどで下向きに釣鐘状に咲く小さな赤い花に、更紗(さらさ)模様の縦じまが入っているのでこう呼ばれる。サラサドウダンの変種とされている。太郎山への登山道。最初の小ピーク(山王帽子山)が近くなり、針葉樹の林を抜けた辺りで目の前に飛び出してきた。多くは見かけない種だというが、日光や赤城の山では良く見るような気がする。

「サラサドウダン」もツツジ科の落葉低木。花に更紗(サラサ)模様のあるドウダンツツジということでこの名がついている。別名で“フウリンツツジ”と呼ばれるようだが、釣鐘状に咲く花をそのまま現したもの。秋には、葉が赤紫に紅葉するのも楽しみ。

個体の写真は10日ほど前に、赤城の小沼の周遊歩道で撮ったもの。ここは“ツツジの楽園”で、歩道北側ではサラサとベニサラサの花が敷き詰められるように落ちていた。もうシーズンは終わったが南側の歩道入り口辺りの草原ではレンゲツツジ、北東の歩道ではシロヤシオツツジが多い。周辺の山に登ればアカヤシオも咲く。

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「シモツケ」

2011-07-08 11:17:38 | 山野草

1週間ぶりにパソコンを開いている。トキの島に帰省していた。ここ数日、関東地方はうだるような暑さだったようだが、島は晴れていてもそれほど気温が上がらず、30度C弱、夜は22度C前後。結構過ごしやすかった。カメラは持参したのだが、トキの島では珍しくも、一枚の写真も撮らなかった。群馬と似たような花しか咲いていなかった。

「シモツケ」は草本でなく、バラ科の落葉低木。木といっても背丈は1メートル程度にしかならない。里山からブナ帯の草原まで、日当たりの良い場所で見かける。この個体はもう3週間ほど前に、高崎自然歩道の山名城址辺りで撮ったもの。まだ咲き始めたばかりだった。ピンクの小さな花が集まって咲く姿は可愛いし目立つ。

栃木県に多いので“下野(下野の国)”の名がついたという。日光の戦場ヶ原周辺でしか見た記憶が無い・・・・。私は長野県と群馬県の県境に近い車坂峠の周辺に多く咲いていたのが印象に残る。
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「ツガザクラ」と「ミヤマカタバミ」

2011-07-02 09:59:32 | 山野草

暑い日が続く。こんな日でも山の稜線沿いなどは吹き上げてくる風で天国。毎日稜線を歩くと言うわけにも行かないが、今の2000メートル前後の山の稜線には春と夏が同時にやってきたような賑やかさがある。小太郎山から太郎山への稜線上では小さな花たちが咲き競っていた。

「ツガザクラ」はバラ科の常緑小低木。岩が多い稜線上に多い高山植物。葉が栂に似ていて、花が桜色なことからこの名がついている。5ー7ミリほどの小さな花。苦しい登りにあえいでいる頃に出くわすことが多いだけに、私には癒し効果が高い。

「コミヤカタバミ」はカタバミ科の多年草。カタバミは庭や畑の雑草の一つで、なかなか退治できない難敵。手を焼いている人も多いと思う。平地には花が黄色のカタバミと赤紫の帰化植物のムラサキカタバミが“横行”しており、不幸なことに?温暖な地では年中花を咲かせている。

花が白いミヤマカタバミは太郎山の頂上直下の尾根沿いで撮った。尾瀬のアヤメ平への登山道脇でも咲いていた。山で咲いていると雑草と言う感じはない。結構可愛いものがある。葉の先が丸いタイプをコミヤマカタバミと分けている記述もあった。ネット上の解説と掲載画像が完璧に一致しているので“コ”タイプとした。

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「タカネスミレ」

2011-07-01 08:21:24 | 山野草

黄色い花が咲くスミレは尾瀬で見る“オオバキスミレ”だけしか知らなかった。昨年、木曽駒ケ岳に行った時、タカネスミレの存在を知った。日光の太郎山に行くと、尾根沿いの登山道の脇や崩れかかった場所などにも咲いていた。調べてみると、同じスミレ科でこの花に良く似た“キバナコマノツメ”と言う種がある。葉の表面の光沢、生育場所などで区別されるそうだが、正直なところ私には判別が微妙。感覚的にタカネスミレとした。

「タカネスミレ」は高山帯の砂礫地などに咲くスミレ科の多年草。背が低く4-8センチほど。2000㍍を越えた登山道の尾根沿い。崩れかかった場所、ガレた所など目の前にこの花が飛び出してくる。小さいが鮮やかな黄色が印象を強くする。

タカネスミレと確信していたが、念のためネットで調べるとー。同じスミレ科で“花だけでは区別できない”というキバナコマノツメがあり、このほか北と中央アルプスに咲くクモマスミレがあることを知った。特にタカネとキバナの分別は、画像では比較できないほどそっくり。分ける必要が無いのではと思われるほど。エゾタカネスミレなど黄色いスミレは結構あるようだ。

見分け方のポイントとして①葉の表面の光沢②生育場所がタカネは傾斜のある砂礫地、キバナは草原ーなどあり、葉の表面の判断など微妙(厚さや毛の有無など触らないとわからない)なところもあるがタカネスミレとした。異議ある方は是非・・・ご意見をー。
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