アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

子を捨てる 4

2010-03-19 17:37:57 | 青年の子育て
次男の部屋を出、食堂のテーブルでひとりぼおっと座り、張り裂けそうな思いで、
今起きた出来事をふり返っておりました。

衣食住、まだまだ全てを依存している次男。
学校のことだって、ここにくるまで、どれほど彼のフォローをしてきたか、それらなしでは
今の彼は無いではないか・・・。

でも、彼は私の言動一切を「うるさい干渉」「全部お母さんのせい」で憎悪するばかり。

なんか、ものすごく、「私ってそんなに悪いの?」と心が深く沈んでいった・・・その時。
ふと、ある気分が浮かんできました。

「めんどくせい奴だな。」

するとほぼ同時に、大きくて古いブロックがひとつはずれ、音をたて土埃をあげながら落ちるような
不思議な感覚が体の中に起こり、実際、そういう映像みたいなものが一瞬見えたのです。

その瞬間、思った。

「あー、もう捨てよう。彼は19才、もうすぐ20才。充分育った。もう自分で生きなきゃ。」

母によく言われていたのです。
次男と私は、本当にべったり一緒だったと。

それは、次男が幼い頃のことだといつも聞き流していたのですが、もしかしたら、
そうではなかったのかもしれない。

いまだに「お母さんが世話してあげている。お母さんがいなきゃ、この子何もできない。」
と、べったり覆い被さっていた、それこそが私の姿だったのかもしれない、
それでは、子どもが重たくてもがき苦しむのはあたりまえじゃないか、
と、しだいに全貌が見えてきました。

次男は、心が優しい。
だから、私に言えなくて、ああいう病気になってしまったんだ。

私は、次男を本当に可愛くて大事に思っている。

としたら、ここはどうしても「捨て」て、手を離してあげなければ、彼は本格的に
おかしくなってしまうかもしれない。

そうだ、捨てよう。

正気では、私にとってものすごく難しくて、できなかったかもしれない。
が、「めんどくさい奴だな」という、初めて味わう荒っぽい感情が、自分を後押ししたのです。