アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

バイオリニスト古澤巌 3

2013-03-19 14:38:21 | 日記
アンコールの1曲目は「いい日旅立ち」でした。

が、彼等(この日は、ジャズピアニストとベースとのトリオ)にかかると
この哀愁をおびた青春ポップスは、いきなり大人のタンゴになってしまうのでした・・・。

うひゃーと思って聞き終わると、無言で2曲目へ。

いつも必ず、演奏の前には曲名を紹介してから弾かれるので、一瞬「あれ?」と
思いましたが、数秒後には「あー、チャルダッシュだー。」とわかりました。

が、同時に「うわぁ、なんか大変なことになるかもや~」とも思った。

案の定、次第にバイオリンは命を持った生命体のように、なんか別の生き物みたいに
なっていったわけ。

むせび泣き、饒舌に語ったかと思うと大声で笑い踊り狂い、およそ人間の持つ
あらゆる感情を全身全霊で歌うような、疾走する凄まじいチャルダッシュでありました。

最後の一音と同時に「BRAVO!!」の声が飛んだけれど、こちらはもう
それどころではなかった。

魂を抜かれた抜け殻のようになって、あえぐような息をして、シートに座っているのが
やっとのような状態。

呆然と言葉もなく、身動きもしばらくできませんでしたね。

やっとの思いで、誘ってくださった知人の方に
「素晴らしかったですね。お誘いいただき、ありがとうございました。」
と一言。

そしてもう、何か呆けてしまったように、のろのろと家に帰ったのでありました。

悪魔のような天使のバイオリン弾きですわ。古澤巌さんて。