書名:アルツハイマー征服
著者:山下進
出版社:角川文庫
出版年:2023年
ジャンル:医学ノンフィクション
内容紹介(背表紙説明より)
50パーセントの確率で遺伝し、その遺伝子変異を受け継げば、100パーセント発症する。しかもその発症は若年。アルツハイマー病の解明は、この家族性アルツハイマー病の家系の人々の苦しみの上に築かれた。遺伝子の特定からトランスジェニック・マウスの開発、ワクチン療法から抗体薬へ。名声に囚われた科学者の捏造事件。治験に失敗した巨大製薬会社の破綻。治療薬開発に参加した女性研究者の発症とその苦悩。そして家族性アルツハイマー病を患った母の人生を語った女性の勇気。幾多のドラマで綴る、治療法解明までの人類の長い道。
本書はアルツハイマー病の解明や治療薬の開発に挑んだ科学者たちの物語で、非常に読み応えがありました。
1年前、日本でもアルツハイマー型認知症治療薬(進行抑制薬)のレカネマブが製造承認されました。既に承認されているアメリカでは年間使用費が390万円と高額であり、日本では保険適用で年間298万円となりました(2023年末の情報)。
アルツハイマー患者の脳に見られるβアミロイドの沈着はこの疾患の原因なのか、結果なのか議論もありましたが、βアミロイドに対する抗体医薬で認知機能の悪化の進行がプラセボよりも抑制されるということは、少なくともβアミロイドが症状悪化に関与してることは分かりました。
この9月25日には新薬のドナネマブも承認されましたが、アメリカでの年間使用費はやはり460万円と高額。。。
若くしてアルツハイマー型認知症を発症してしまった患者さんやご家族には希望の光かもしれませんが、日本のサラリーマンの平均年収とほぼ同じこの金額はかなりの足枷になってしまいそうです。
そして、2050年には高齢者の3分の1が認知症になる時代に突入してしまいます。。。
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