「西田議員と青山議員の共通点と相違点」、今回はこの視点から研究を開始します。
共通点は両氏共に、参議院議員であることです。参議院は衆議院と違い解散がありませんから、当選すると6年間は議員の地位が保障されます。
6年間は解散の心配をせず、自分の政治信条に従い自由な発言と自由な活動ができます。両氏がネットを駆使し、国民に語りかけている自由さはここからきているとも言えます。
いつ解散があるか分からない衆議院議員は、常に選挙の当落が頭から離れません。迂闊なことを喋るとマスコミの餌食となり落選せられますから、ネットでの活動は積極的でありません。
西田、青山両氏の相違点は、ハッキリしています。
西田氏・・・解散のない参議院議員から総理になった政治家はいないので、氏は最初から総理を目指していない。
青山氏・・・参議院議員から総理になった議員がいなくても、法的には可能だからと氏は総理を目指す。
本気で政治改革を目指しているのなら、立法府として上位に位置付けられている衆議院の方が有利なのに、両氏はなぜ参議院議員の立場を守ろうとしているのか。
両氏ともこの点について語りませんが、「ねこ庭」の研究では「議員報酬」に理由があると考えています。金銭にこだわるのは卑しい人間のすることと言われますが、「ねこ庭」はこだわります。
知らない人が多いと思いますので、令和元年7月の「読売新聞オンライン」の記事を紹介します。少し古くても概要が分かれば良いので、「ねこ庭」は数字の細部にはこだわりません。
・歳費とは別に、月額100万円の「文書通信交通滞在費」(非課税)が支給されている。
・使途の報告義務や目的外使用への罰則はなく、事実上の「第二の給与」ともいわれる。
・さらに、
1. 新幹線のグリーン車を無料で利用できるJRパス
2. JRパスと月3往復分の航空券引換証
3. 月4往復分の航空券引換証、のいずれかを選べる。
ただ、2.と3.は地方選出議員らに限られる。
・秘書給与も最大3人分を国が負担する。
・議員宿舎に、周辺相場よりも割安で入居できる。
議員歳費の年額約2,181万円と「文書通信交通滞在費」の年額1,200万円を合わせると3,381万円になります。
次に国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」のデータを紹介しますと、参議院議員の年間収入の高額さが分かります。
〈 年齢階層別の平均収入 〉
19歳以下 124万円 20~24歳 273万円
25~29歳 389万円 30~34歳 425万円
35~39歳 462万円 40~44歳 491万円
45~49歳 521万円 50~54歳 537万円
55~59歳 546万円 60~64歳 441万円
65~69歳 342万円 70歳以上 298万円
これだけでなく、「調査票」に書かれた註書きを読んでください。三人の息子の父親である私は、涙が溢れそうになります。
・註: 令和4年の平均年収は、正社員で523万円、正社員以外は201万円となっており、両者には約300万円の差があります。
・註: 雇用形態別に過去5年間を比較すると、多少の増減はありますが、正社員、正社員以外 ( パート・アルバイト等 ) ともにほぼ横ばいです。