〈 憲法問題 〉
3. 現行憲法を「占領基本法」として破棄し、明治憲法へ戻す「廃憲論」を唱える。
4. 憲法破棄を国会で決議すれば、憲法改正の手続き自体が不要と主張
GHQが日本を統治下に置いていた時作った憲法で、元々ハーグ国際条約に違反した憲法だから、国会で無効決議をすれば効力がなくなる。
簡単に言いますと、氏の意見はこう言う論理です。6月の東京都知事選挙の時、田母神氏も演説の中で語っていました。こんなところで田母神氏と意見が繋がっていたのかと言う、新しい発見でもあります。
7月9日に「日航機123便墜落事故」の11回目を書いた時、氏の「廃憲論」を知りました。謙虚な気持で氏を研究しようと、まだ心境が変化していない時でしたから遠慮なく酷評しました。
この時氏は、自由民主党が長期政権を保っている理由を次のように説明していました。
・国内で自民党を応援しているのは、日本が共産主義国家、社会主義国家になったら困るからと言う国民なんです。
・自民党にいくらデタラメな政治と金の問題があっても、国民が何とか自民党政府でなくては困ると言うことで、政権に踏みとどまることができたんです。
・アメリカもそうでしたが、東西冷戦が終わった時から、アメリカには自民党自身が用無しになるんですよ。
・「プラザ合意」以後、アメリカが日本の経済を弱体化させている理由がここにあります。
・冷戦時代は「共産主義の防波堤」としての日本が必要だったので、アメリカは日本の防衛に前向きでしたが、冷戦が終わると日本の役割がなくなった。
・日本が弱体化しようと他国に侵略されようと、関心を示さなくなったのです。
これが氏の戦後認識でした。だから私はシリーズ11回の「ねこ庭」で、思い切り悪態をつきました。
・お粗末な認識で京都府議に当選し、自由民主党の国会議員になってもこんなことを喋っているようでは、こんな人物こそ「用無し」です。
・現行憲法を「占領基本法」と呼び、アメリカが主権の無かった日本で勝手に作ったと説明していても、氏は国民が願う「憲法改正」の意味を理解していません。
・だから「国会の爆弾男」らしく、「憲法破棄の国会決議」をすれば良いと乱暴な意見を言い、国民のウケを狙います。
・常識の話をすれば、「憲法破棄の国会決議」をしたら現憲法下で制定された何千という法律が無効になり、国民生活が大混乱します。
・民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法などほとんどの判決が無効になり、無法状態が蔓延します。氏は一体どうするつもりなのでしょう。
・自由民主党に在籍していながら、冷戦後には自由民主党が用無しになったと、こんな意見を述べるのですから救いようがありません。こんなバカとは知らず、私は今日まで氏を眺めていたことになります。
嫌悪に近い私の感情論が、今回の研究でどのように変化するのか。息子たちや「ねこ庭」を訪問される方々以上に、私自身が注目しています。
・「廃憲論」は、何時、誰が言い出した意見なのか。
研究の第一歩は、ここから始まります。『教育勅語』の場合と違って、今回はいくら探しても「改憲論」の第一発言者が見つかりません。
その代わり、別の説明を見つけましたので紹介します。( ウィキペディア )
・その後の「日本国憲法」下の日本国においては、国民国家の法規として「日本国憲法」自体が最高法規となりました。(第98条:憲法の最高法規性)
・これに違反する「詔勅」は失効した。
・また前記の「教育に関する諸詔勅」に代わって、「日本国憲法」に沿った「教育基本法」などの各種法令を、国民道徳の指導原理として日本国政府は推進するようになった。
この説明で分かりますように、「教育基本法」一つとっても憲法によって左右されます。「憲法破棄の国会決議」を現実に実行し、「明治帝国憲法」に戻したら、法治国家である日本社会の混乱は想像ができません。
吉田首相の時代に「日本国憲法」を制定して以来、歴代の政府は苦労してこれを維持してきました。ひとえに社会の混乱を危惧し、民心の安定を考えたからだったことは、自由民主党の結党時の党是が「自主憲法の制定」だった事実が語っています。
西田氏の意見どおり簡単なことなら、氏はなぜその意見を国会の場で発言し、国民に向かって語りかけないのでしょう。あるいは自由民主党内の議員諸氏を説得し、「憲法破棄の国会決議」を実行しなかったのでしょう。
批判のための批判をし、氏を責めているのではありません。研究の結果として現在言えることがあるとすれば、次の意見です。
・「憲法破棄の国会決議」の実行は、「憲法改正」と同じくらいに難しい。
氏は国民を安心させるため簡単に喋るのをやめ、困難な問題は困難な事実を、省略せずに説明して欲しいと思います。
「廃憲論」は、何時、誰が言い出した意見なのか分かりませんが、ヒントになる情報を探しましたので次回に紹介いたします。