「識者評論」 「地方自治法改正案」
識者阿部記者の意見の続きを、紹介します。
・だが新型コロナウィルス対策で生じた混乱を受け、地方制度調査会が昨年12月、指示権拡大を盛り込んだ答申を岸田首相に提出
・これを受け改正案が3月、閣議決定された。
4年前の令和2 ( 2020 ) 年1月16日、国内で感染者が初めて確認され、2月5日に大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客乗員から新型コロナウイルスの感染が確認された時、日本全国が大騒ぎになりました。
感染症対策が間に合わず、患者の受入れ病院不足、受け入れベッド不足、応急隔離ベッドの急設、トイレットペーパー・マスク不足などが発生し、大混乱になりました。
テレビも新聞も連日トップニュースでコロナ騒ぎを報道し、ついには東京オリンピックの開催が延期され、いざ始まった競技は前代未聞の無観客開催でした。
患者数の全国集約ができず、自治体間での協力体制、国の機関との協力体制が構築できないため、死者が増えるという深刻な事態も発生しました。
「地方自治法改正案」が、この騒ぎをきっかけに見直しをされたというのなら、当然の話ですが、阿部記者はそう考えていないようです。
・同案は、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」の発生や、恐れがある場合、閣議決定すれば担当閣僚が、国民の生命や財産を的確・迅速に保護するための措置を、自治体に指示できるようにする。
緊急事態が発生した場合、担当大臣が自治体に指示をし、国民の生命や財産を守ることに何の不都合があると言うのでしょう。
・松本剛明総務相は「今後も個別法が想定していない事態が生じ得る」と、改正の必要性を強調。
松本総務大臣の説明を紹介し、阿部記者の批判がここから始まります。
・「指示権は必要最小限の範囲で行使される」とするが、条文や政府答弁からは、どんな事態で、何を指示するか輪郭すら不明だ。
国難の緊急事態についてどんなものがあるのかと、問う方が無理な注文でないかと、「ねこ庭」は考えます。
冬場に大地震が発生し、道路に放置された何台もの車が、自衛隊の救急車両の通行を妨害していた時、これらの車は所有者に無断で動かせないと、現場が混乱したことがありました。
あるいは倒壊した家の壁と塀が、隣家を押し潰しそうになっていた時、家人が逃げ無人となった隣家に無断で、重機を使って除去できるかなど、さまざまな事態が発生しました。
阿部記者は、何百あるか分からない緊急事態を法律に明記することを求め、「指示権権は必要最小限の範囲で行使される」という、松本総務相の包括的説明を認めようとしません。
・栃木県知事など首長経験もある立憲民主党の福田昭夫衆議院議員は、「武力攻撃事態や存立危機事態以外に、( 指示権行使の場合は ) 考えられない」、と見る。
反日左翼記者らしく、反日左翼政党の議員の意見を持ち出してきます。二人の意見は次の点で一致しています。
・大災害が発生し国民が困難に直面していても、国は自治体に「指示権」を行使することはできない。
・指示権の行使は武力攻撃事態でしかできないのだから、「地方自治法の改正」で取り上げるのは筋違いである。
その理由を阿部記者は、次のように説明します。
・現在の有事法制では、武力攻撃を受けた事態でも、国は自治体に避難、救援、港湾利用など、限られた範囲の指示しかできないためだ。
まして災害の発生という低レベルの事態で、国が自治体に指示権を行使するなどとんでもないと、とんでもない理屈を言い始めます。
これが「識者評論」というのですから、「ねこ庭」は紹介しながら驚きます。驚いたところでスペースが無くなりました。
頭を冷やすためにも一旦休憩が必要になりましたので、続きは次回といたします。心の平安を求める方は、次回をスルーされることをお勧めします。