10. 「伊藤貫の真剣な雑談 第10回 」 ・・伊藤貫X水島総特別対談 ( R4/11/12 )
1時間18分の動画が、あと10分で終わろうとする時、水島氏がつまらないことを話しかけました。
・日本の言論界の劣化というのか、これは相当酷いのでは無いかという気がしている。
・貴方がアメリカから見ていて、一番危険と感じるのは、役人、政治家、あるいは政財官の人間的劣化、知的腐敗というか、この点について日本にカツを入れてもらいたい。
頭の中を雑学で一杯にしている「祭りの薬売り」ですから、彼は喜んで話に乗ってきました。
「僕はこの点について、4つのことを考えている。最初の3つはある人物の意見で、4つ目が僕の考えだ。」
1. マッカーサー元帥の『マッカーサー回想記』の中の意見
・日本人くらい徹底して屈服した国民はいない。
・日本人くらい徹底して屈服した国民は歴史上前例がない。
「そうか。そんなことが書いてあったのか。昔読んだのに、何も覚えていない。」
水島氏が照れて笑っていますが、この本は私も読んでいましたから、本棚の『マッカーサー回想記』( 上下2巻 ) を取り出して確認しました。
上巻は元帥の生い立ち、父マッカーサーの統治したフィリピンでの生活と、連合国軍総司令官になるまでの思い出話なので、ここには彼が紹介した意見は出てきません。
下巻は日本占領から、朝鮮戦争、トルーマンによる解任までですから、書かれているとすればここになります。解任直後の下院議会の公聴会で、確かに元帥は日本人を軽蔑しています。
「ドイツ人を我々同様45歳であるとすれば、日本人は、時間的には古くからいる人々なのですが、指導を受けるべき状況にありました。」
「近代文明の尺度で測れば、われわれが45歳という成熟した年齢であるのに比べると、日本人は言ってみれば 12歳の少年と言ったところでしょう。」
だからこんな意見を本にを書くだろうと思うのでしょうが、『マッカーサー回想記』下巻に、「祭りの薬売り」が紹介した意見そのものはありません。
「我々の統治は成功した。2000年以上の歴史を持つ日本国民が、それまでの封建的な思想を捨て自由と民主主義に目覚め、一変したのである。こういう事実は、人類の歴史上かってなかった。」
連合軍総司令官だった彼が、自分の功績を自慢する意見は書かれていますが、「日本人のクズ」が紹介した言葉はありません。元帥の言葉を拾い出し、いつものように都合良く解釈しているのではないでしょうか。
2. 白洲次郎氏の「回想記」り中の意見
・占領下の日本の「紳士たち」くらい、見苦しい連中はいなかった。
・日本の「紳士たち」は、軍国主義の時代は軍人に跪いて彼らの靴を磨き、アメリカに占領された途端、彼らに媚びることしかしなかった。
・日本の「紳士たち」は、パンパン以下である。彼らとパンパンといったいどこが違うのか。( 注: 占領軍相手の売春婦をパンパンと言いました。 )
・占領が終わった今でも、アメリカ語を話し、アメリカのご機嫌を取ろうとする人間が大多数である。
「いゃあ、白洲次郎もいいこと言ってるなあ。」と、水島氏が笑いながら感心していました。これでは「祭りの薬売り」の思う壺で、彼の間違いや嘘を指摘するのは期待できません。
3. 村田良平氏の意見 ・・元外務省事務次官、元駐米大使
・外務省の官僚は、完全にアメリカに洗脳されている。
・しかも彼らは、それを意識していない。
「いゃあ、これはそう言われると、その通りだ。負けたからしょうがないとか、潔いとかいう話ではない。みなさん、どう思いますか。」
苦笑した水島氏が視聴者に問いかけていましたが、マッカーサー元帥の捏造意見を除けば、白洲、村田両氏の意見は敗戦国にありがちな話で、なにも日本人に喝を入れるものではありません。動画がいかにつまらない内容であるかを、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に知ってもらいたいと、わざわざ紹介しました。
水島氏に感心され、得意になった「祭りの薬売り」がとんでもない嘘を喋り出します。前置きが長くなりましたが、これが本日の主題です。
・水島さんが言う現在の日本人のものの考え方、知的レベルの劣化については、紹介した三人の意見の他に、僕なりの分析がある。本音を言うと、もう手遅れだと思う。
・明治時代の最初の30年代の日本人は立派に見え、価値判断力もあり、物事にも動じないと見えた。
・彼らが立派に見えたのは、江戸時代の教育を受けて育っていたからだ。
ここで水島氏が身を乗り出して賛成します。
・そうだ、彼らは寺子屋や藩校で学んだ人間だ。明治時代の教育で育っていない。
二人の意見が一致し、伊藤氏の雑談に一層力が入ります。
・明治の教育を受けた連中がリーダーシップを取るようになったのが、大正時代だ。大正時代の日本人というのは、キョロキョロキョロ、右往左往している。
ここでまた、不愉快な日本人の悪口が始まります。東大の反日左翼学者に育てられると、彼のような「反日のクズ」が育つのでしょうか。
・外国では今何が流行っている、早く真似しなければならないと飛びつく。大正時代以降の過去100年間の日本人は、凄く見苦しい。この傾向が、明治維新以来何も変わっていない。
・僕の分析視点について、水島さんも賛成しないと思うが、奈良時代から明治維新までの約1200年間、日本人の価値判断基準としての柱が3つあったと思う。
ここからは正確を期すため二人の話を編集せず、そのまま紹介することにします。
「その3つの柱というのは、〈日本的な価値判断〉〈仏教思想〉〈儒教的なものの考え方〉ですね。奈良時代から江戸時代までの日本人は、この3つに立脚していたと思うんです。」
「うんうん、そうですね。全くその通りです。」
「日本的なものというのは、天皇制であり、その後に出てきた武士集団の武士道です。もちろん、万葉集的なものも含まれます。
「ええ、ええ。そうですね。その通りですよ。」
伊藤氏のお喋りの間中、水島氏がうなづいて、相槌を入れています。ここから伊藤氏の大嘘が始まるのですが、スペースがなくなりました。反証の紹介にもスペースが必要なので、本日はここで一区切りとして続きを次回といたします。
( 天皇家に関わる伊藤氏の歴史改竄と、水島氏の無知が明らかになります。不愉快極まる内容なので、嫌な予感のされる方はスルーしてください。)