おねっと日記

日々の出来事を感じたままにつづります

思い出との惜別

2009年12月28日 | 家族
本日は実家の台所の大掃除。
ホームセンターから洗剤やたわしを購入していつになく力の入る私です。



気にはなっていたけれど、仕事が中心の暮らしの私はなかなか手をつけることが出来ずに年末を迎えました。
さあ、やるぞ!

肝心なのはいらないものを捨てるという作業。
それを敢行するには、かなりの行動力を必要とするのです。
なぜなら、父は私が捨てるのをもったいながってまた集めてしまったりするからです。
母との思い出が少しでもこびりついているものを捨てようものなら大変!
作業の中断を強いられてしまいます(笑)

が、今日は意外と静かにお隣の部屋で控えておりました。
勢いつけて入って来た私に恐れをなしたかのように・・・

普段使わない食器棚には長女が中学の時に書いた母の似顔絵の4コマまんがが張られておりました。
ガラス戸を開けると、セピア色になった10センチ四方の4枚の紙が、
はらはらと破片になって音もなく落ちてきました。
ガラス戸には粘り気のなくなったセロテープがぺたりと残っています。

母が孫たちのために働く姿を描いた4コマまんが。
台所に立つ母の姿。アイロンをかける母の姿。いろんな働く母の姿。

母も結構気に入っておりました。

それは孫からのおばあちゃんへの感謝のエールそのものだったから。

その紙きれも15年たって紅葉のように舞い落ちてしまいました。

まるで、「さ、次はあなたの番よ」と母が言っているみたい。

そのことは父には告げずに黙々とガスレンジを磨きます。
新しいアルミのガードを張り付け、ガスマットも取り換え、台所は急に明るさを増しました。
賞味期限の切れた調味料もどっさり捨てました。

「年越しはゆっくりひとりで過ごすから」と言う父に
「何いってるの、すでにこっちで過ごす予定でいるのよ」と言い返す私。
父の顔がぱっと明るくなったのを私は見逃しませんでした。

「なら、買い物しておかなきゃなあ」とそわそわし始めました。

こんな父さんをひとりになんてできないでしょう~