田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

曼珠沙華

2007-10-01 20:19:25 | Weblog
10月1日 月曜日 曇り
●いつも東武電車で上京するときに、車窓から外を眺める。金崎の河原がいいなぁと思う。人口の、コンクリートで固めた土手がないのがいい。むかしながらの鄙びた河原の風景には風情がある。

●畦道の彼岸花が赤い列をつくって群生していた。田は、稲が実って黄金色。赤い彼岸花で区画がきわだっている。                            

●彼岸花が好きになったのはつい最近だ。母が彼岸花と猿すべりがきらいだった。お墓の花と木だといって、忌み嫌っていた。なにか悲しい思い出があったのだろう。どうも、子供は女親からものごとの嗜好を受け継ぐようだ。お墓の花だからといわれれば、ああそうかと納得してしまう。彼岸花の燃え立つような赤の美しさ教えてくれたのは、カミサンだ。だからわたしは彼岸花とはいわない。曼珠沙華という。花言葉がじつにいい。

● 法華経からの出典といわれるマンジュシャゲという名前。「思うはあなたひとり」という花言葉。いいなぁ。じつにいい。この秋の彼岸のころになると、カミサンと亡き母のことをよく話し合う。愛情の豊かな、物静かな母だった。その母が、彼岸花と猿すべりをなぜあれほど嫌ったのか聞いておけばよかった。